創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   志高く   ノンキィ

 文章という円周の上を走るとき、カーブを曲がったり脱線しかけたりするときに、創造のエネルギーが生まれる。本を読むときは、脱線を大切にして自分の考えを確かめながら進まなければならない。圧倒されそうな影響を持つものには、不用意に近づかないことが必要である。
世界には無数の民族が存在する。そして当然、それぞれの民族が信仰する宗教がある。日本人には無宗教の意識を持つ人が多いと聞くけれど、それでも何かの思想に基づいて日々を過ごしているに違いない。私達人間には、何か心のよりどころとなるものや自らを律するゆるぎない柱が必要不可欠だ。その一方で、宗教集団が起こす信じがたい事件も、実際に存在する。平等社会のなかで、一人ひとりの個性を重要視するようになってきた現代、確固とした柱を自分の中に築きたいものである。(主題)
 そのためには、何か影響を受ける「教わる側」の自分の、強烈なパワーを周囲に放つ「教える側」との関わりあい方が大きいと思う。ある物事に対して夢中になっている人は、たいてい盲目状態にある。自分の生活の思考の中核を成すもの意外は目に入らないのだ。私の友達に、ジャニーズの嵐に命をかけている人がいるが(笑、彼女はどんなときでも「嵐」という単語に反応を示し、盛り上がって聞いてもいないことを話してくれる。彼女くらいなら何も問題はないし、充分笑って流せる範囲内であろう。しかしそれが、誰かに支障を加えたり彼女自身の社会生活を歪ませてしまうほどのものになると、冗談ではなくなる。自分の適性や性格を相手にそっくり投影しないこと。そのために、それを絶対視しないようにしなければいけない。吸い込まれてはならない。唯一の絶対的な存在である自分を、見失わないようにする必要がある。(複数の方法一)(ユーモア)(体験実例)
 とはいってみても、誰にも流されず自分ひとりで生きてゆくことはよほど強い決心がなければ不可能である。それならば、今度は百八十度転換した心構えが必要だ。それは、出来るだけ多くの人と係わり合い、出来るだけ多くの人の意見や考えを心に蓄えておくこと。強力な磁石の前にどんどん引き寄せられてしまう砂鉄でも、磁石との間に分厚い段ボールを挟むことで、その力を跳ね返すバリアを得ることが出来る。私達もそれと同様、遠ざけがたい事柄にははじめから距離を置き、出来るだけ多くの第三者に守ってもらえばよい。そして同時に、誰かを守ってあげて欲しい。(方法二)
 確かに、自分の中ではなく他者に意見を求め、すでに出来上がった柱に寄りかかる方が明らかに楽ではある。個性や適性を大切にするよりも、皆と同じことを同じタイミングですれば、いちいち考えて行動する必要はない。けれど、本当に自分が大切にしているものを守り、真の自分を見つけるためには、他者の意見という土台の上に自らの意志を形作ることが重要ではないか。「ことごとく書物を信ずれば、書物を読まないことと同じである」というように、出来る限り多くの引き出しを備えた心を持ちたい。二日間に及ぶ甲子園球場での熱闘を制した夏の覇者、早稲田実業高校の一選手の言葉である。—体と心が限界でも、志の高さだけは絶対に負けなかった—。自分を律し、自己実現していくための志という柱を少しずつ固め、いつか立派にそびえ立たせたい、そう思う。(主題)(構成)

   講評   nara

 それほど年令の違わない高校生が発した言葉は、よりストレートに、そして驚きと共感を持って、ノンキィさんの心に響いたのだね。分野は違えども、同じような気持ちを抱けるように、自分は日々過ごしているだろうか。そんなことを考えさせる、熱闘甲子園だったね!
 今回の長文筆者については、馴染みがあったことも幸いし、すんなり内容が頭に入ってきたようだ。最近、ノンキィさんの作文のレベルが上がったと感じさせるのは、複数の方法についての考え方だ。以前に総合化に取り組んだけれど、そのことが奏効している面もあるね。複数の方法を示すときに、その違いを出すのに苦労することが多い。ノンキィさんの場合、正反対のやり方が認められるかどうかを考えているところがいい。イメージとしては、正反対のやり方は、結果も正反対(つまり、両立しない)となりやすい。しかし、ここが人間のおもしろいところでもあるけれど、正反対のアプローチでも目指すべき到達点を同じくすることはできるのだね。
 むしろ、正反対のやり方をバランスよく取り入れられるからこそ見えてくることがある、とも言える。どちらかだけ、もしくは、一見複数の方法に見えても、それが延長線上にあるものであれば、一面的にしか物事を判断できないこともあるものね。思い切って、正反対の方法を考えることが、結果として最適な方法を炙り出すことになるわけだ。
 今回は、複数の方法で示した具体例もおもしろく、わかりやすい。特に、磁石・ダンボールの話は人に置き換えたときのイメージがわきやすい、いい比喩だね。
 題名どおり、高い志を、胸を張って掲げているようなすがすがしい作文になった。字数・内容のバランスもよく、森リンの得点もハイスコアだった。清書はこれでもよかったね(笑)。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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