創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   トウシューズの痛さ   オーロラ

 そのとき、私は幸せに包まれた。生まれてきての一番の喜びだったと思う。それは、トウシューズをもらったときのことだ。私は、嬉しくて声も出ないほどだった。一つ年下のKちゃん達が
「いいなぁ。私も早く履きたいなぁ。」
「来年まで待てないよう。ああ、早く時間が経たないかなぁ。」
とうらやましがるので、レッスンが終わってから、こっそり履かせてあげた。
 何しろ、生まれて初めてのトウシューズだから自然と笑いが込み上げてくる。家でも何回も履いた。そして寝るときも枕の隣において寝た。(もっとも、朝になったらトウシューズは足の下にあったが)
 けれど、そんな時期も束の間、初めのトウシューズが小さくなったから、少し大きい、違うメーカーのシューズに変えた。そうしたら先生に
「そのトウシューズ足に合ってないよ。違うのに変えなさい。」
と言われたのだ。私は、次のレッスンのときにまたシューズを変えた。それは最初に先生にもらったのと同じトウシューズの、ワンサイズ上のものだった。先生は
「その方がずっとよく立ててるよ。」
と言ってくれた。私は、そう言われたのは嬉しかったが、実は、そのトウシューズは、まるで足に釘が突き刺さるみたいに、特に小指が痛かった。それでなぜ立てているかというと、上体を精一杯引き上げて、甲が出た正しい立ち方なら、そんなに痛みを感じないのだ。しかし、中途半端な状態で立つと、顔が引きつるぐらい痛い。
 それでも、レッスンでトウシューズを履く時間が短い間は、なんとかもっていた。だが、発表会の練習をするようになり、トウシューズを履いている時間が長くなり、普段の教室より広く、床の固いホールで踊るようになると、もう限界だった。まだサイズが小さくなったわけでもなく、潰れてしまったわけでもないのに、値段の高いトウシューズを買い換えるのはもったいなかったけれど、もっと足に合うものを求めて、母といくつかのお店を回った。
 そして、今履いているトウシューズに出会った。まだ、これが本当に一番合うトウシューズかどうかはわからないけれど、今まで試した中では、最も履きやすく、足にピッタリしている。立ち方や踊り方も、多少は変化した。今ではトウシューズでも綺麗に立てていると思う。多分今、トウシューズで楽に立てるようになったのは、この痛かった思い出があるからだと思う。痛いのは辛いから、痛くないように工夫したり、自分なりに努力したからだ。
 痛みとは、それ自体は辛くて嫌なものだけれど、その痛みを感じる状況では危険だとか、そのままでは良くないよ、ということを教えてくれるものなのだとわかった。

   講評   nara

 夏休み、たくさん思い出ができたかな? 9月1週目は進級テストだよ。オーロラちゃんだったら、キーワード・字数は問題なさそう。題材探しをしっかりやって、より内容を充実させられるように準備をしておこうね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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