創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日2126 今日642 合計7640
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   外国人労働者の受け入れについて   おかし

 少子化の進行に伴う人口減少社会への対応策として外国人労働者の受け入れが注目されている。2005年、法務省は専門・技術的分野以外での外国人労働者の受け入れ拡大を盛り込んだ「第三次出入国管理基本計画」を作成した。厚生労働省によると、日本で働く外国人労働者は、1990年に26万人だったのが、2005年には80万人に達している。これからも急増すると見られる外国人労働者の受け入れについてメリットとデメリットを挙げる。
 メリットは二つある。1つ目は人件費の削減だ。日本と外国人労働者の送出国とでは経済格差が大きいため、国内労働者より外国人労働者は低賃金で雇うことができる。2つ目は人手不足の解消だ。日本は生産年齢人口が不足しており、送出国は人口圧力で失業が慢性化している場合が多い。よって、日本と送出国で雇用の必要性が一致する。
 デメリットは二つある。1つ目は行政の負担が増大することである。日本政府は刑法に人身売買罪を新設し、被害者を保護するために、衣食住、カウンセリング、通訳を確保するなどの措置を盛り込んだ「人身売買取引対策行動計画」を定めた。またいじめや差別によって不就学となった外国人児童・生徒に対する支援も必要になる。2つ目は送出国側の頭脳流出だ。1980年代以降、ジンバブエでは国立大学医学部大学院卒業者の90%以上が海外に渡っている。このように、送出国国内の医療水準は低く、医師が不足している事例が多くある。
 外国人労働者の流通は、労働資本の流通ではなく文化の流通である。これからさらにグローバル化が進展し、外国人労働者の流通が盛んになると、国内で国家主権が機能しない領域ができる危険性がある。そのようなことも考慮し、日本は段階的に外国人労働者を受け入れていく対策が必要になるだろう。また、外国人労働者の送出国側も、過度の労働力輸出政策は、国内の荒廃を招く結果になりうるので、慎重に政策をたてなければならないだろう。外国人労働者受入国日本として、送出国側と双方に有益になるようなグローバルな政策を立案するのが急務である。

   講評   nane

 いつもデータをよく調べているね。これまでに書いた数字は概数を覚えておこう。
 メリット・デメリットもよく整理した。外国人労働者が増えつつあるのは、メリットの方で市場の力が働いている一方で、デメリットの方で市場の力が働かないからだろうね。ここで真のメリットを考えるのが、政治の役割で、その政策を実現するのが経済の役割になる。
 「外国人労働者の流通は、労働資本の流通ではなく文化の流通である。」はいい表現。こういう大きな視点で見ることが政治的な見方になる。
 グローバル化は、いずれにしても避けることができないものだから、社会的な摩擦をできるだけ少なくしていくことが大事になるのだろうね。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)