国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   スズメから学んだこと   うさちゃん

 私は毎朝ラジオ体操に行く途中、スズメにたくさん出会う。この、あたり前のように見ているスズメから様々なことが分かるということを『スズメの大研究』という本から学んだ。
 この本を読んで興味深かった点が二つある。その一つは、スズメは昔から農作物を食い荒らす嫌われ者として見られているが、実は、ひなを育てている間は、いも虫などの昆虫を大量に食べてくれる。つまり、見方を良いほうにかえれば、害虫などを食べてくれる益鳥であるという点だ。
 私は前に、こんな本を読んだことがある。カミキリムシの幼虫は、樹の皮の部分だけ残して、中を食べてトンネル状にして木を枯らしてしまう。だから、人が大事に育てていた木につくと、やはり害虫にされてしまう。しかし、カミキリムシは、森林の枯れ木を食べ、倒木の分解を早める働きをしている点もある。こう考えると益虫とも言えるかもしれない。なんだかスズメと似ている。
 身近にも似た例がある、私のクラスメイトは、授業中に、一部の人をさわがしくしてしまう困った所もあるけれど、発言をたくさんして授業を進ませてくれる良いところもある。このように物事を一方からだけ見るのではなく、いろいろな角度から見なければならないということが、この本を読んで分かった。
 もう一つの興味深かった点は、ヨーロッパを中心に生活しているイエスズメの話だ。イエスズメは、日本にいるふつうのスズメより、強い力を持っている。しかし、最近、日本でもそのイエスズメが北海道、秋田県で見つかったというのだ。このままもし日本で増え続けると、スズメより強いイエスズメは、スズメをすみにおいやってしまうかもしれない、と心配になってきた。そしてもしかしたら、「スズメの鉄砲」という草の名や「舌切り雀」というお話や、「スズメの涙」ということわざも、未来になったら「今では、この『スズメ』はほとんど見かけなくなったけど、昔はこの『スズメ』がたくさんいたんだよ。」というころがくるかもしれない。私は少しさびしくなってきた。
 しかしそのイエスズメさえもイギリスの市街地から、姿を消してしまったそうだ。原因は分かっていない。
 人間は便利だから、快適だから、といっていろいろな物を作ってきた。自動車やビル等等。私だって、この夏、クーラーのきいた部屋で勉強している。しかし、人間が快適だといって開発してきたものは、人間以外の動植物にとって、住みにくい環境を作りだしているのだ。そしていつか人間も自分で自分の首をしめていることに気が付くのだろう。私は、この本を読んで、今、地球環境の未来を一番良く知っているのは、人間ではなく、鳥や、他の動物なのかもしれないと思った。

   講評   tama

 普段の生活の中で、スズメはいちばん身近な鳥だと言えるかもしれませんね。私自身もあまりにも身近すぎて、その生態を知ったつもりになっていたような気がします。農作物を食べてしまうだけでなく、実は害虫をやっつけてくれる益鳥でもあったのですね。

≪題材≫ 似た話として、カミキリムシやイエスズメについて触れたところがいいですね。読書感想文は、ただその本を読んでの感想だけで終わらせると少し味気なくなってしまいますが、このように話題を展開し、違った角度から考えていくことも大切です。

≪主題≫ ただの感想だけで終わらせず、「わかったこと」をまとめたところは、さすがうさちゃん! 本の内容をよく理解し、深く読み込んだ上で書かれた感想文だということがよくわかります。とてもよくできていますよ。私もこの本を読んでみたくなりました。

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