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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   恐怖のスマイル   アトム

 「だいぶ歯が、よくなってきているよ。ヘッドギアがんばってるね。」
ぼくは、歯の矯正治療をしている。五年生の時に始めたのだが、今にいたるまでには大変な苦労と努力があった。
 「歯の矯正治療を始めた次の日口の中が血だらけで、歯が抜けてたんだよ!。」
こんなことを友達が言っていたのを覚えている。今考えてみると、まったくのウソだが、当時は矯正を付ける前日だったので、とても不安だったのだろう。まんまとだまされてしまい、恐れを抱いてしまった。
 「あぁー、明日がいやだー。」
その日の夜、まったく眠れなかった。
次の日ぼくは、心臓が飛び出してしまいそうなほど、不安と恐怖で緊張していた。
 「こんにちは。」
母とぼくで、かんたんにあいさつをすると、病院の中へ入っていった。矯正歯科の名前は、「スマイル歯科。」病院の中は、スマイルのキャラクターの置物や、ぬいぐるみなどがたくさんかざってあるのだが、すべて歯に矯正器具が付いていて、みんな笑って楽しそうだ。しかし、あの友達の言葉を聞いてしまったからには、もうだまされない。
 「アトム君、どうぞ。」
受付の人に呼ばれ、治療用のいすに座った。
 その日の夜、ぼくは口の中に取り付けられた器具の気持ち悪さと、歯が抜けてしまうのではないかという不安で、犬のようにうなっていた。しかし、昨日眠れなかったために、いつの間にか、いびきをかいていた。
 「太陽よ、いたいよう!!!。」
朝は歯の激痛で目が覚めた。
「歯はある?ゆれてるよ!。」
永久歯がゆれるのは、初めてなので、さわってみていると、母が、
「取れちゃったらどうするのよ!もう生えてこないんだから。」
どなってきた。でも、ぼくだって痛いんだから、しょうがないだろうと、必死に訴えると、
「病気じゃないんだから、我慢するしかないのよ!」
と言われてしまった。確かにそうだ。こらえるしかない。いつもそう思っているうちに、もう一年間経ってしまった。今ではもう出っ歯も直ってきたし、まったく痛みを感じない。やっぱり慣れというものなのなのだろうか。
 痛みというものは、それを乗り越えることによって、たくましさ、我慢することを学ぶことができる生きていく上での、1つの訓練なのだ。そしてごほうびに達成感をあじわうことのできる、大きなミッションだ。

   講評   sarada

アトム君の痛さがひしひしと伝わってきます。歯医者さんのネーミングもいいし、アトム君の高度なダジャレもいいなあ!
 結びには、「痛み」 というものを前向きにとらえた自分の意見を述べてくれました。アトム君はこの痛みで、心も大人になっていくね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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