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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   その目を持つことが出来るのなら   うさぴょん

 視覚系は、光を介してものの形を認知する。形は触っても聴いてもわかるから、視覚だけが形の担い手ではない。形を認知する上において視覚系——目はたいへん有効な感覚器だが、あまりに有効なので、有効でない点に、あんがい気づかないことがある。たとえば、ものの大きさが相対的でないと分からないということである。そのために、人の世ではモノサシを売っているのである。あんな簡単な器具はない。それでも、たいへん便利なものである。なぜそれほど便利かといえば、視覚系だけにまかせておくと、大きさの絶対値が分からないからである。
 人がそこにあるものが何かを瞬時に判別するための器官、それが目である。その目は確かに色々なことを分からせてくれる。目の前にあるそれがなんだとか、色や形に今ある状態。けれども、大きさだけはどうにもならないようだ。もちろん、日常生活の中では精密な大きさを知る必要はない。一つ一つのものが近くにあるし、近づいていけばこのくらいの大きさだということが分かるからだ。しかし、もしそれが分かるような精度の良い目を持つことが出来たなら。その目を使うことはいいことなのだろうか、悪いことなのだろうか。
 何かと一々比較しなくても大きさが分かる、とてもいいことだ。比較対照を必要としない、故に遠く過ぎて近づけないところでも何もないところでも、それがどのくらいかの規模が把握できる。救急活動をする際にあたってそれがどのくらいの深さの穴なのかとか、この崖はいくらの高さなのかとかが分かる。助けを必要としている人を確実に救うことが出来るし、助ける側の安全も確保される。<複数の意見一>
 とはいえ、それが日常生活に必要なのか。所持していたらそれはそれで便利かもしれないが、情報が頭に入りすぎるということはないだろうか。例えば、眼鏡をかけるとき。私が初めてメガネをしたとき、もの凄く頭が痛くなった。それは今まで見えていなかったものが一気に見えるようになって。情報量が増加したからだ。それと同じように、情報量があまりにも多くなってしまうと活用するにもしづらくなってしまうのではないのだろうか。それにもしそのような目が必要だったのであれば、とうの昔に私たちの目はそういう仕様になっていたはずだ(笑)。<体験実例><複数の意見二><ユーモア表現>
 万能な目を持つにしても入ってきた情報を活かせないのならば意味がない。宝の持ち腐れ、という言葉があるように<名言の引用>今ある情報を駆使できたときに、そのような目を使うべきだと思う。<総合化の主題>

   講評   nara

 うさぴょんさん、いつからメガネを使っているの? 何だか、新鮮な感じだなぁ。それはそうと、メガネの題材をうまく作文に用いることができたね。人間の体はなるほどよくできている。例えば、何らかの事情で視力が落ちたとしても、それでうまくやり過ごせるような認識の仕方を、脳が半ば自動的にやってくれれているのだね。確かに、初めてメガネをかけたとき、それが本来的には見えていたはずの世界であっても、「まぶしい、見えすぎ!」と思ってしまう。見えるもので判断をするという高度な情報処理を、黙々と脳はやっていたというわけだ。
 考え方によっては、それだけの柔軟性があるからこそ、絶対値を見切ることができないということになりそうね。しかし、人間のおもしろいところは、自分の器官でカバーできない事象は「道具」をもって臨むという技術を持ち合わせているところだ。必要なければ、道具を生み出そうともしないはずだから、絶対・相対のいずれも必要であるということは、人間にはわかっているのだろうね。
 絶対的な情報も相対的な情報も、情報の質に違いはあっても、優劣があるわけではなさそうだ。結局のところ、総合化にあるように、その情報をいかに活用するかというところが大切なのだろうね。往々にして、使うべき場を取り違えてしまうことが、人間には多い。道具や材料は、うまく活かしてこそ、その質が問えるということかな。
 進級テストは合格。学校の自由研究は仕上がったかな? 機会があったら、ぜひ、見せてもらいたいなぁ。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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