創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   絶対且つ相対   紫式部

 目は大変便利な器官である。だが、あまりにも便利なために、「ものの大きさを特定できない」と言う欠点に気が付かない。普段私たちが大小を判断するのは比べるものがあってこその考え。比べる基準がなければ、判断は出来ないのである。だから現代にはものさしというものが存在するのだ。視覚系は絶対座標を持ち込んで進化してこなかった。逆に、我々が「比例」や「相似」を考えることができるのは、本来、視覚系が絶対的な見かたをしてこなかったからだ。
 相対的にものを見ことが役に立つ場面が沢山ある。なにしろ、この考え方はとても便利である。学校で行われた学力テスト。自分は全体の何処の位置にいるのか把握するためには相対的な見方が必要である。友達に順位で「勝った」、「負けた」で勉強に対するやる気も変わってくる。また、日ごろの買い物でも役立つ。朝、新聞に挟まれているチラシ。いろんなお店の商品の値段がこと細かにのっている。同じ商品でもお店によって値段がちょっとづつ違っていたりする。少しの値段の差だが相対的に見ることでとても買売意欲がそそられる。
 また絶対的な考えも必要である。自分が決めた道をいく。とてもカッコイイが一番難しい選択である。人生に幾度となくおとずれる大事なことを決めるときに絶対的な考えはとても大切になってくる。私は今中学2年生。ちょっと前に入学したばかりなのに受験はもう目の前だ。周りもそんな雰囲気になってきた。どの学校を選んだらいいのか。友達とそんな会話をしていた時に「ねぇ。同じ学校にしよう。」という話になった。その時はそれもいいかなぁ、と思っていたけど、今は、やっぱり自分で行きたい所は決めなきゃな、と思っている。
 確かに、他と比較で成り立つ相対的な考え、なにものとも比べない絶対的な考え、どちらの見かたにも長所短所がある。しかし、結局のところ大事なのは、「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」ということわざがあるように、比較的な見かたをしながら絶対的な見かたを定め変化させていくこと、また、絶対的な見かたを、比較的な見かたで冷静に見ていくことが大事だ。自分の考えているものをもっとよりよい考えに変化させていくことが大切である。
 



   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。絶対的と相対的というふたつの視点。物の考え方とらえ方までひろげていくと、たいへん奥深い問題になってきます。
 私たちは、とかく比べたがるものです。隣の芝は青いというように、比較してはうらやましがったり、あるいはまだまだ自分はマシな方だと安心したり、比べることがやる気につながっている間はよいのですが、マイナスに働く事もありますね。現代の教育は競争主義が加熱した反省から、相対評価をやめて絶対評価にしようとしています。すると、またやる気がなくなるといった新しい問題が起きています。
 絶対的な指標が必要になる場を、ちゃんと見極めればよいのですよね。幸福論といったものは、数値で測れるものではないから、こういった判断こそ絶対的であるべきなのでしょう。自分の進路もまた同じですね。
 絶対か相対か、教育家すら答えが出し切れない現状ですし、人生の大きなテーマにもなりそうな選択肢です。自分の判断する事に関して、自分の責任で主体的に徹底的に考えることで、よりよい考えが見えてきそうですね。
 

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