創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
初めての一位 ショウ
「よーいドン!」
先生の声がひびいた。四年生のスポーツテストのときだ。徒競走、五十メートル走は三人ずつで三組走る。僕の組は一組目、いっせいにスタートした。スタートする前はとてもきんちょうした。まるで発表会の前のように心ぞうがどきどきした。
僕は今まで、一度も一位をとったことがない。最初、スタートダッシュにおくれてしまった。しかし二十メートルくらいのところで追いついた。そのままゴールのラインまで全速力で走った。走り終わったときは、息が切れていた。結果は一位。しかし、十秒二という三年生のときよりもかなりおそい記録になってしまった。でも全員走り終わってみると、タイムは九人の中で一番速かった。
一位をとって、まるでたん生日のようにとても気持ちよかった。
今までは二位か三位で、一度も一位をとったことがなく、初めてだったのだ。日本の校庭は芝生ではなかった。しかし今、僕が通っているポーランドの日本人学校は芝生だ。雨のふった後だったのでとても走りにくかった。
お母さんは小学校の時、走るのが苦手で一位をとったことがなかったそうだ。中学校に行ってから、バレーボール部に入り、いっぱいトレーニングをしていると、走るのが得意になってきて、一位をとったこともあるそうだ。
僕も中学生になったら、一位をとれるようになるかな・・・。お父さんは、一位をとったことが無く、最下位にならないように気をつけていたらしい。
一生懸命努力をしていても、一位になれる人となれない人がいるということがわかった。これからは運動をいっぱいして体をきたえて、タイムを上げて、高学年でも一位をとれるようにしたい。
講評 siro
ショウくん、こんにちは。進級試験の作文、がんばりましたね。項目、字数ともにクリアできました。進級試験は合格ですよ。十月から次の級に進みます。この調子で、毎週楽しく作文を書いていきましょう。
四年生のスポーツテストで一位になったときのことが書けましたね。走る前は「まるで発表会の前のように」、一位をとったときは「まるでたんじょう日のように」と、上手く自分の気持ちをたとえることができました。タイム自体は十分納得できるものではなかったようですが、それでもやはり一位になったのはうれしかったことでしょう。最後にまとめてくれた、がんばっても一位になれる人となれない人がいる、というのは、本当にその通りですね。実は先生は今までの人生で、走ることに関しては学校の運動会やスポーツテストなどで一位をとったことがありません。一度でいいからゴールテープを切ってみたいと思っていましたが、その願いは残念ながら叶いませんでした。ショウくんは、この先も一位になれるチャンスは十分にあると思いますが、その一つ一つの経験を忘れずにいてくださいね。
大変よくできました。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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