創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   流されない心   紫式部

「自分で判断し行動する」ことは、簡単なように見えてとても難しい。それに比べ、人に依存するのはとても簡単である。なにしろ、自分で考えなくてもいいからだ。他人依存ばかりか、「指示待ち」といった、自分自身の判断を最初から放棄している人もいる。困ったことに、大学生になってもテーマを与えないとレポートが書けない。つまり、「テーマ化された指示」を求めている。このことは、自分で考え、判断し、決断する作業に不慣れなことを意味する。
 私も何度かこのような人を見たことがある。夏休み前、社会のレポートが宿題で出された。私は、「武士と刀の関係」について詳しく掘り下げて書いて持っていった。夏休み明け最初の社会の時間。皆どんなレポートを書いてきたのか発表が楽しみである。しかしクラスの四分の一の人が「やってません」だった。理由は、先生の出した「自分の興味のあることについて調べる」というのが抽象的で書けないというもの。ここでも「テーマ化された指示」を求めている人達がいた。自分で考えることの意義に気が付いていないのである。自分で考えて出した言葉は少なからず、聞いている相手に説得力を与える。また、人に指示された行動よりも、自分で決めて行動した方がやり遂げたときの充実感が違うのだ。
しかし、人に依存する利点も多々ある。とにかく楽である。なにしろ、自分で考えなくていいのだ。普段私たちは自分で考えて行動するよりも依存して情報を得ているほうが多いかもしれない。本や新聞、チラシ、ニュース。これらは、すべて、他人が考えたり取材したものである。しかし、私たちがそこから学ぶことは計り知れない。本から自分が経験できないことを学び、新聞からその日の出来事を得たりする。また、そこから自分なりに考えを深めたりする。本を読むことは良いことだと言われるように他からの情報を上手く利用するのもいいことだ。
 自分で考える、人の考えに依存する。善し悪しは場合によるだろう。自分で考え判断することは良いが、他の意見や情報も考慮する必要がある。結局、一番大事なことはなんだろう。「才能というのは自分を信ずる能力である」ということわざがあるように、自分が正しいと思う道を選ぶのはとても強い能力、才能であると思う。だから、最終的には自分で判断し決断するといった「周りに流されない心」を大事にしたい。

 

   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。自分で考える事の大切さを確認する内容でした。情報化の時代となり、私たちにはさまざまな情報が各種の媒体で提供されます。それらを無視して生活する事は、もはや出来ないようです。「依存する」というとすっかり自分を失う印象が出てしまいそうですが、それらの情報を活用する側にいることは大切ですね。
 そのうえで、必ず自分に何を求められているのかを問う事が大切。指示待ちをしてはいけないのですね。レポートのテーマが抽象的で書けないと言った人たちは考える楽しみをまだ知らないのかもしれない。マニュアルどおりに何かをするのは安心ですが、つまらない作業ですよね。
 「周りに流されない心」とは、いい響きですね。主体性という芯がありますね。それが決して頑なにはならないように、視野を広く持って強く自分で考えていきたいですね。

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