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　　　あってもなくてもよいものとは・・・　　　ゆっぴ

　「都市住民は、すべてが役に立つという環境に馴らされているから、目の前に突如として何の役にも立たないものが出現すると、それだけで文化的衝撃をうけ、深く困惑する。」
という文。私はこの、「何の役にも立たない」という言葉が気になった。何の役にも立たないというのは、あってもなくてもよいものだということだ。私はしばらく考え、身の周りにあるあってもなくてもよいというものを探してみた。そのようなものは、よく考えてみるとたくさんあった。
　私は自分の部屋の役に立たないものを探し、一番身近に思ったのは、お土産などの小物やぬいぐるみだと思った。小物やぬいぐるみだと別に明日からなかったら絶対に困るというものではないし、役に立つものでもない。私の部屋には、旅行のときや人からもらった小物がいっぱいある。もちろんぬいぐるみもたくさんの人からもらったものがある。私は別にそのようなものは邪魔とは思わない。逆に、それを見たり触ったりしていると、そのときの思い出を思い出したり、勉強をしているときの休憩時間でうれしくなったりする。その中で私には、大きな思い出がある。それは、私の部屋にあるエッフェル塔の小物を見たときに、前にフランスに住んでいたことをいつも思い出すのだ。そのフランスでは、いろんな友達がいたことも覚えているが、エッフェル塔を上ったときのことだ。私は、高いところが大好きだけど、一緒に来ていた友達は、高所恐怖症でとても怖がっていた。だけど、ずーっとその場所にいるうちにその友達もだんだんなれてきて、下を見始め「きれいだねぇ」といったことだ。そんな思い出を思い出しながらその小物をときどきながめるのだ。
　私は家だけでなく、学校など勉強をするところでなくても困らないものを探してみた。私はこの作文を書く以前は、勉強に必要のないものはないと思いましたが、考えてみればたくさんある。たとえば、校庭の木や、みんなの筆箱についているキーホルダーなど、勉強に必要のないものもある。私の通っている学校の校庭には桜の木がある。その木は新学期を迎えるときには満開で、一年生になる人たちもとても喜んでいる。そしてもう一つ、校長室には、とても大きな絵がある。それは縦が二メートルくらいで横が八メートルくらいの絵だ。なぜこんな絵が必要かというと別に必要というわけではない。だけど校長室もこのような絵があるとなんとなくうれしい感じがするのだと思う。まるで、長文にのっていた噴水の話のように思った。
　この作文を書き、人間にとってあってもなくてもいいというものは、なんとなくうれしくなるというものである。この長文にのっていた噴水でも学校の校庭にある木でも、なんでもそうだと思った。

　　　講評　　　inoko

　ゆっぴさん、こんにちは。なくても困らないもの。よくあたりを見まわしてみると、実にたくさんありますね。必要な物だけを残すようにしてみたら、家も教室も町も、ずいぶんスッキリしてしまうかもしれません。でも、よく考えると必要のないようなものというのは、私たちの生活に喜びとか楽しみを与えてくれますね。そのようなものがあることで、気持ちにも余裕や潤いが出るのだとしたら、まるっきり必要ないというわけでもないのかもしれませんね。
☆　いい例がみつかりましたね。物が豊富にある生活に慣れきっている私たちにとっては、とても新鮮な内容の長文でした。最後のまとめかたが上手になりましたね。長文のテーマから感じ取ったことは、けっこう役に立つことがあると思いますよ。