創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
情報の信用度 あるま
現代において、私たちはメディアを通して「他の世界」を知っているつもりになっている。しかし、これらの情報は「疑似現実」であり、私たちはその獲得により、自分なりに知識を積み重ね、自分の責任で判断をしている気になっているのだ。同じ情報により、多くの人々は同じ方向へと位置づけられてしまっている。現在私たちは、安易に見たものや聞いたことを信じ込みすぎるが、この傾向は今後増してはいかないだろうか。
その対策のひとつは、ものごとに対して疑いの目を持つことだ。つまり、ある事柄について疑問点があれば、それをつきとめることが大切だ。例えば、ちょっとした友達からの口コミ情報ならば、「どこで聞いた話なの?」「誰が言っていたの?」というように。これらの質問の答えを得れば、あとは自分で信用する情報と信用できない情報を区別するだけでよい。大日本国憲法が発布されたとき、その制作に庶民はあまりにも無知であったため、「発布」という言葉から「はっぴ」が配られるものだと大騒ぎしたという話がある。一体どこから出回った話だったのか・・・。この話は、無知であったことと合わせて、疑問点を誰も持たなかった例に当てはまるだろう。
もうひとつ、自分の目で確かめるということも対策に挙げられる。様々な情報が手に入る現代では、確かな情報源を確保することが重要だ。最も確かなものと言えば、やはり自分自身が身をもって実感、体験することなのだ。「百聞は一見にしかず」という言葉通り、噂を鵜呑みにせず一目見てみれば、噂とは全く違った事実があるということもあり得る。またそれらの体験は今後、情報源を選ぶのにも役立つ。
確かに、即座に情報を得られることは現代の大きな利点である。もし、明日突然、私たちからメディアという情報媒介を奪われてしまったら・・・。考えただけでも大変なことになる。私たち日本を代表する、内閣総理大臣の選挙に関してどんな変化があったのか。私たちの命に関わる、地震や津波はどこかで起きていないだろうか。大好きな野球選手の海外での遠征は、どのようだったのだろう・・・。いつもなら瞬時に手に入る情報とも、まるで無縁になってしまう。だから、現代はとても便利な世の中なのである。しかし、情報とは量でなく質である。いくら速く多く、情報を得たところで信用のないデータは役に立たない。この情報化社会で私たちにできることは、経験を積み、頼れる情報を見極める目を肥やすことなのだ。
講評 huzi
大きなニュースがあれば、そればかり報道し続ける。TVで同じ映像がくり返し流され、まるで日本中がそのできごとに関心が深いような錯覚を覚えますね。大衆向けに作られるからマス・メディアなのですが、大衆からの関心が流れるというより、大衆の関心を操作する力のほうが大きく働いているようです。
安易に見たものや聞いたことを信じ込む。これは、私たちの大きな反省点ですね。じっくり咀嚼したり、別の方向からとらえなおす手間を省いてしまっています。
【対策】は、具体例と想像による例を、バランスよく配分できました。今回のように、どちらかにかためてしまう書きかたもいいでしょう。疑問点を持たないのは無知であったからだという指摘は鋭いです。無知の穴から、噂話や偏った情報が流入してくるのでしょうね。
【自作名言】、そのとおり。書き出しを別の言葉でさらにいいかえた結びも、いいですよ。経験を積むこと・頼れる情報を見極めることを、時間をかけ面倒がらずに行うべきですね。
テストは合格。よかった!
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |