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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   両立できる人間   紫式部

 文化は日常の生活に表れるというところから考えると日本と外国ではだいぶ異なっている点がある。例えばドイツと日本。ドイツは自立心が強いのに対し日本は自立心が欠けている。この自立心は長所でもあるが一方冷たく、愛に乏しいという短所がある。これから日本がヨーロッパのように自立的な生活を取り入れることがあるとすれば、まねではなく自分の生活の基盤から自力をもって追求していかねばならない。
 今の日本に欠けている【個人の自立】。自立することによって、職業、地位に関係なく人はほぼ対等な存在でいることができる。例えば、学校。クラスの中に、どのグループにも属さないけれど、どのグループからも受け入れられて一目置かれている人がいる。友達のKちゃんだ。彼女は誰か特定の人と仲がよいというのではない。感情移入しすぎない目線で友人からの相談に答えてあげたりと信頼を受ている。一見寂しそうに見えるときもあるが、周りが良く見えているのかも。実際わたしもKちゃんを尊敬している一人である。私たちは小学校のころから仲良しグループを作りトイレや水飲みに行くことさえも誘い合って行くのが癖になっている。「○○ちゃ〜ん。一緒にトイレ行こう」という台詞が当たり前のように口からでる。このことは悪いことではないのだろうが自立心のないことの現れのような気がする。実際、中学生になった私でもまだ言っている。
 しかし、【お互いに助け合う】のも大事なことである。人にはそれぞれ「得手不得手」というものがある。そこをお互いに補って助け合うようのも大切だ。努力してもできないものは人に頼ったり、助けを求めても良いと思う。それによって助けられた人が良い思いをするんだったらやってあげてよいことだ。今年もあった「全国高校生クイズ」。三人一組でチームを組んで出題された問題をチーム対抗で解いていく。この大会のために一年間頑張ってきた高校生たちが繰り広げるバトルは見ている人までもハラハラさせる。勝ち残っていくもの、落ちていくもの。どれだけチームの息が合っているかが大事になってくる。スイッチのボタンに手をかざす三人。問題が読まれた!!「ダンッ」スイッチが押される。「押したのは・・・○○高校の○○君!!」「答えをどうぞ!!」こうやって自分の分かる問題はしっかり答えて、分からない問題は人に頼る。そして間違っても責めず次に精神を集中させる。そうして上に勝ち進んでいく。お互いに協力し合い、信頼関係で結ばれた絆はとても強いに違いない。  
 【個人の自立】という考えも大事だし、【相互の助けあい】という考えも大事である。しかし、結局の所一番大切なのは、【個人の自立と相互に助け合うことを両立させる】ということだろう。個々は自立しながらも助け合う優しさは忘れないで生活する。常に自分を持ちながらも頼る所は頼っていける人になりたい。

   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。西欧の個人主義については、近代を迎えた日本の先人たちがなかりカルチャーショックを受けた部分です。イギリスに渡った夏目漱石もドイツに渡った森鴎外も、精神的な部分で日本と相容れないものを感じて帰朝したのでした。それが、名作を生んだのではあります。
 個人個人がしっかり自立して、社会とはその自立した個人の契約によって成り立つというのが西欧の考え方です。まるで、オーケストラの演奏のようです。磨かれた奏者たちが最高の演奏をしてこその合奏です。ただ、そこには妥協を許さないような冷たさはありますね。Kちゃんは、そんな強さを持っているんだね。
 日本は隣近所といった小さな社会を大切にしてきました。だから助け合いがさかんです。ひとりではできないことも、みなさんの力を借りて成し遂げます。信頼関係、絆、いい言葉です。しかし、最近になってこの関係は維持し辛い状態になっているようですね。
 日本は、精神の近代化が遅れたといわれます。技術や経済のみ西欧化したけれど、人間の成長が遅れたために、双方の悪いところばかりが噴出しては悲惨です。個人主義と、全体主義(助け合い)の両方のいいところが発揮されるような発展を遂げたいものですね。


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