創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本人の文化的カプセル   レックウザ

 「日本人は、日本文化を微分化した小さなカプセルの中に入って、そこで初めて、安心するのである。しかし、おそらく一つ問題に残るのは、その皮膜の強度の問題だろう。結局のところ、この「家庭訪問」プログラムに応じてホノルルの過程を訪ねた日本人は、たった六人であった。」私は、この長文を読んで一番同感したのは、「日本人の場合、とりわけその「文化的カプセル」の外皮膜は、かなり強く、それを内側から破ることを日本人はあまりしたことがないように思えるのだ。」というところだ。私の友達も、みんな「文化的カプセル」に入っている。とりわけ、一番外皮膜が強いカプセルに入っているのは、私の母だ。
 私は、家族全員でアメリカに越してきた。私はアメリカのレストランで、アメリカの食べ物を食べても食べなくても、どちらでもいいのだが、母は違った。父が、「今日はレストランに行こう」というと、母の一番の最初の提案はいつも「日本料理を食べたい」なのだ。母は全くの日本好きだ。アメリカに来たとたん、アメリカの不満をぶつぶつと言うし、やっぱり日本のものがいい、と言うのだった。全くあきれたものだ。(笑)
「しょうがないじゃん、お父さんの仕事の都合なんだから、我慢しないと。」
母が文句を言うたびに、私は母をそう励ます。しかし、そう励ましているものの、実は私も日本が恋しくて仕方がないのだ。何よりも、日本語が恋しいのだ。どこにでも日本語が書かれてる、みんな日本語で話し合っている。その情景が、私には見たくて仕方がないのだ。母に負けないくらい、自分の母国が恋しいのである。
 日本と比べて、アメリカは明るくて派手だ。日本で飛行機に乗って空を楽しみ、アメリカの土地に始めて足を踏み入れたとき、私たちは感動した。身の回りはすべて、アメリカ人、アメリカのもの。ここがアメリカなのだ。ここから、私たちの新しい生活が始まるのだ—。その日が、私がアメリカという国に感動した、最初で最後の日だった。新しい家で一晩寝ると、次の日の朝早く、家族全員で町を探検した。私たちはとても楽しみだった。アメリカはどんなきれいなものがあるのか、どんなおいしいものがあるのか—。しかし、それはただの空想に過ぎなかった。アメリカの町は汚くて、ホームレスの人たちが道路をうろついていて、食べ物だっておいしくなかったのだ。私と母はがっくりした。せっかく、こんなに楽しみにしていたのに。これじゃ、日本の方がよっぽどいい。そう思ったのだった。しかし、父だけは違った。父はこう言った。
「日本と違うからこそ、アメリカはアメリカなんじゃないか。」
この言葉を聞いたとき、私は、まるでしおれかけていた花が生き返ったように元気が出た。そうだ。日本と違うからこそ、アメリカという外国があるのだ。もし、すべてが日本と同じだったら、それこそがっくりする。それでは外国に行ったって、なにも嬉しくない。国がそれぞれ違うから、旅行という楽しみがあるのではないか。そう思った私は、ショックな母を、ここで頑張ればいい、と元気付けた。
 日本人にとって「文化的カプセル」は、とても重要なもので、外国に旅行に行く時には必ず持っているのだ。しかし、日本人は「文化的カプセル」に、あまりにも長いこと入っている。今の日本人には、カプセルから出てきて、もっと外国とつきあうことが大切だ。小さなことでもいい、とにかく外国に興味を示し、自分の母国のことは一度忘れて外国を思いっきり楽しんで欲しい。私はそう思っている。

   講評   hoemi

 レックウザさん、こんにちは。実際にアメリカという異国に住んでいるからこそ強く感じられる(感じざるを得ない? )「日本人の文化的カプセル」について、レックウザさん自身の体験を豊富にもりこんで書けたね。。
【要約】 なかなか打ち破ることのできない強固な日本人の文化的なカプセルを軸にまとめられたね。
【体験実例】 住み慣れた日本を離れ、アメリカで生活するにはかなりのエネルギーがいることがよく伝わってきたよ。文化や習慣、ものの考え方に始まって言葉や食べ物など、あらゆるものが慣れ親しんだ日本と違うのだから、誰でも少なからず「文化的カプセル」を意識せざるをえないよね。でも、レックウザさんのお父さんのように発想の転換ができた時、初めて異国の地での生活に広がりが出てくるということが分かったよ。レックウザさんにしか書けない貴重な体験実例を入れられたね。
【たとえ】 お父さんの言葉を聞いた時のレックウザさんの気持ちをうまくたとえられたね。みるみるうちに元気を取り戻すレックウザさんが見えるようだよ。
【一般化の主題】 誰でも多かれ少なかれ「文化的カプセル」は必要だけれど、世界との交流を考えるなら、レックウザさんの言うとおり、カプセルに閉じこもってばかりいないで、勇気を出して殻の外に一歩踏み出すべきだろうね。しっかりまとめられているよ。

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