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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   新・日本意識ミックス   グレープフルーツジュース

 ヨーロッパと日本の文化を比べてみると、一般の人々における市民意識の堅固さが違うことに気付く。ヨーロッパの長所は、同時に短所をともなっている。つよい市民意識は、非常にしばしば、せまくるしい、自己満足的な、そして利己的なにおいを発散させる。ひとの生活に無用に干渉しないかわりに、自分さえよければいいという態度が、ほのみえる。少し飛
躍的に言えば、それは愛にとぼしい生活である。現代の日本人が、やがて自立的な個人のありかたという彼らの文化の長所を身につけるときがあるにせよ、この短所までもいっしょに取り入れるのではつまらない。それでは創造の活力は湧きあがってこない。しかし長所と短所を分離して取り入れるということは、おそらく不可能ではないか。人格の確立ということは、他人の模型を追うのでなく、現代日本人が、現在における自分自身の生活の基盤から、自力をもって追求していかねばならない。統制的な押売的な手段は、いかなるものでも、事柄を根本的にこわす。すべては、日本人自身の内部からの力が湧いて、なされねばならぬのである。
 確かに、市民意識を持つことは大切だろう。ヨーロッパの人たちは、「職業、地位、階級等の別なしに、人間は市民としてたがいに対等の存在である」というものとして、自己を把握しているから、強く頼もしいのだという。ということは、「私は〜だから…でいいやぁ〜。」というのは、タブー(?)ということになる。例えば、身近で小さなことで言うと、「ゴミ捨て」についてだ。ゴミは、分別して捨てなければならない。しかし、この分別というのは、ことごとく面倒くさい。燃えるゴミ、アルミ缶、スチール缶、ペットボトル、危険物、発泡スチロールetc.etc….と、たくさんの項目がある上、スプレー缶には、ぷしゅっ、と穴を開けたり、発泡トレーやペットボトルは、洗わなければならない。しかし、これをきちんとこなすことが、多かれ少なかれ市民意識を持つことにつながるのだ。そう、日頃これをきちんとやっている(であろう)私は、もうすでに市民意識を持っているのかも知れない。
 しかし、お互いを思いやり、助け合うやさしさを持つことも必要だと思う。30人31脚など、その典型的な例だといえる。思いやり、そして、助け合う気持ちがない限り、その三十人は、全員で歩くことすらできないだろう。三十人三十一脚の大会などで、50メートル9秒台(私と同じくらいかそれより速い!)の記録を出すグループは、互いに思いやり、カバーしあうことでやっているのだろう。また、運動会の、ムカデ競争や大玉ころがしも、競争はしながらも、紅白対抗でまとまって協力したり、大家族的だ。日本は基本的に助け合いの精神が発達している。昔は近くに住んでいる人がどんな人か、どんな家族かなどすべて知っていたりして近所付き合いが多かったらしい。困ったことがあれば、助けたり、助けられたりしていたのだろう。最近は少しそんな関係が薄れてきてマンションなら隣がどんな人かわからないということもあるが、それでも、何かあったときには助けたりする。
 確かに、個人が自立していることも、お互いに助け合っていくことも、どちらも大切だ。しかし、「短所をなくす一番良い方法は、今ある長所を伸ばすことである。」という名言がある。このように、最も大切なのは、両方を上手く両立させていくことだ。両方をミックスさせて、うまく使っていけばいいのだ。名づけて、「新・日本意識ミックス」なんてね。(笑)

   講評   takeko


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