創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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取り組みの姿勢 紫式部
この前私たちの学校で文化祭があった。文化祭のメインはなんと言っても「合唱コンクール」。クラスごとに課題曲を1曲選び学年ごとに順位を競うのである。今年、うちのクラスは以上に燃えていた。根っからの歌好きが集まったとでも言おうか、事あるごとに優勝を口にいていた。練習を始めてしばらくした朝練習の時、担任の先生が私たちにひとつの質問した。「貴方たちは優勝を目指しますか?それとも楽しく歌いますか?」このときはもちろん「優勝を目指す!」だった。しかし、中には「優勝よりもクラスみんなで楽しく歌えればそれでいい」という人もいたのだ。なぜ?と、思った。楽しく歌いたいって人の気持ちが分かったのは合唱本番が終わった日の夜、友達とのメールだった。
深夜、友達からのメールが私に届いた。内容はその日の合唱発表会について。何回かやり取りをしているうちにこんな会話が生まれた。「うちは優勝しなくてもいいよ。」「なんで?」「だって、そりゃぁ、優勝したら嬉しいけど、でも、うちらが練習してきたのって優勝のためじゃなくて楽しいからでしょ?」このとき、私は本当にそうだなと思った。優勝、優勝と口では言いながらも、ただ歌うのが楽しくて頑張っているそんな自分がいた。朝早くから始まる朝練習も、口では「めんどくさい。」と言いながらも、みんなに会ってみんなと歌うのが楽しくて毎日続けられた。だから勝ちにこだわらず、それを楽しむことも大事だとこの時感じた。
だが、勝ち負けが大事なときもある。戦う相手がいて始めて勝負という言葉、意思が生まれる。相手に負けたくないからどちらも努力する、その結果お互いの成長の助けになっていることがある。うちの学校のバーレーボール部は強いと評判だ。みんな普通の学校生活ではとても仲がいいけれど、いったん部活の時間になるとレギュラーの座を奪い合う敵同士である。あの子には負けたくないと思ってみんな練習するのであろう。そして、互いに成長していけるのであろう。勝ち負けは成長するためには欠かせないものだ。
「参加することに意義がある」「勝ち負けにこだわる」この二つのどちらにもにも欠点はある、勝ち負けにこだわらないと、何処かで手を抜きがちだ。勝ち負けにこだわりすぎると、勝つために手段を選ばなくなってしまう恐れがある。どちらの考えにもいい点、悪い点があってどちらがいいとは決められない。つまり「ライオンは、一匹のウサギを倒すためにも、全力を尽くす」ということわざがあるように一番大切なのはどちらの考えにせよ、一所懸命に取り組む姿勢が大切である。そうしないと、昔話の「兎と亀」の兎ように余裕をかましたばかりに亀に負けてしまうことになりかねない。ちなみに私たちの合唱コンクールは私のクラスを含めた二クラスに優勝を与えるという異例の結果だった。「来年こそはしっかり勝ってやる」とひそかに闘志を燃やしている。
講評 kira
紫式部さん、こんにちは。なるほど、勝ち負けか、参加することの楽しさか、という問題は何もスポーツに限ったことではないのですね。さわやかな気持ちを味わえるのは、音楽もほかのさまざまな芸術も同じです。私は、まったく運動音痴でしたから、競い合うことの興奮や感動はもっぱら吹奏楽で体験していました。
合唱コンクールの練習で、それを支えたのは歌うことの楽しさをみなで共有していたことだと気付いたのですね。みんなでひとつのものを創り上げる喜びですね。
しかし、やはり勝ち負けにこだわって自分を高めていく事も醍醐味です。しのぎを削るという態度ですね。絶対に負けないという気迫をもった者からは、特別な力が生まれるように思います。気品さえ感じられるよね。
第三の意見は「一所懸命な態度」に求めました。今目の前にある課題に正面から逃げず揺るがず取り組むことこそが大切なんだね。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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