創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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いつまでもいえない「ごめんなさい」 オカピー
「それきれいだからちょうだい。」と、言われて嫌でも「だめ。」という言葉はいえない。友達から貸してもらった鉛筆をなくしてしまって、「明日あの鉛筆返してね。」と言われて、「実は、あの鉛筆なくしちゃったんだ。ごめんね。」と、いえない。そして、その友達が「あの鉛筆は幼稚園の時の親友からもらったんだあ。」と、言われたらなおさら言いにくくなる。「ノー、ごめんなさい、わすれました、すみません」などは、なかなか言えない言葉だ。(要約)
これと似た話がある。それは、友達四人と遊ぶ約束をしていた。でも、私は、遊ぼうとしていた公園はどこにあるか知らなかった。そんな私のために、全員が知っているS公園で待ち合わせしてから、K公園に行くということになった。四十五分に待ち合わせだ。私とりっちゃんは四十五分ぴったりにS公園に着いた。五十分。いまだに他の二人は来ない。りっちゃんが、「もう、約束の時間から五分もたってるからもう行こう。」と言った。私はそれに大賛成。さっさと他の二人を待たずに先に行ってしまった。
そして、次の日。学校で他の二人とは何事もなかったかのように接する。でも、昨日置いていった二人には「昨日はごめん。」と、言いたいけれどいえない。「だって、わたしとりっちゃんは約束の時間までは待っていたんだもの。」「S公園で待ち合わせているのを忘れて先にK公園へ行ったのかなと思ったんだもの。」と、いろんな言い訳が頭の中を駆け巡る。それでもなんだか気まずくてなんとなく避けてしまう。いまでもあの時の「ごめん。」は言えずにいる。(前の話)
もうひとつ、似た話がある。それは、外国に住んでいたときのことだ。その学校にはブランコがあった。私がそのブランコでぶんぶん乗りをしていたら、前を鬼ごっこをしていた眼鏡をかけた男の子が通った。「あっ!!危ない」パリーン。めがねの割れる音。私はとっさにブランコから降りた。「あーよかった。」幸い眼鏡の破片は男の子の目の中には入っていなかった。でも眼鏡は使えない。「ブランコの前を急に横切るからだ。」と、とっさに相手を非難する言葉が胸によぎる。男の子は何も言わずに立ち去った。それでもなんだか後味が悪く、「いつか、その子に眼鏡を買ってあげよう。」などと思っていたが、翌日には新しい眼鏡になっていた。そして謝ることができないまま、日本に帰ってきてしまったからもう何もできない。これは、知って行わざるは、知らざるに同じ(たとえ)と言うものだろうか。(前の話)
私は、この文章を読んで自分の失敗や、欠点や、無力さを認めることは、自分を否定することになるから「ごめんなさい、すみません」などの言葉は言いにくいのだと言うことが分かった。(分かったこと)でも、友達を置いてきぼりしてしまった時、男の子の眼鏡を割っていしまった時「ごめんなさい。」をきちんと言えていたら、どんなに気持ちがすっきりしたことだろう。だからこれからは、自分の非を素直に認め、自分も相手の気持ちも軽くできたらいいなと思う。
講評 kei
「ごめんなさい」なかなか言えない、大事な言葉ですね。この言葉は、自分も相手の気持ちも軽くしてくれる言葉なのですね。
●要約/素晴らしい!どうやって、まとめているのでしょう?毎回、感心しています。今度の電話で聞いてみよう!
●ことわざの引用/うまい!!この一言につきますね。
●前の話/「言えなかった、ごめんなさい」にまつわる話を、しっかりと自分の体験の中から見つけて、書けました。
●わかったこと/自分を否定することになるから、「ごめんなさい」を言いにくい、ということですね。うまくまとまっています。「自分を否定する」=「自己否定」その逆に「自分を肯定する」=「自己肯定」という言葉があります。また、自己肯定に似ている言葉で「自己受容」などという言葉もあります。こういう言葉を使って、言い換えるとまた、かっこいいね!
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