創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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いい心で帰ってきた鶴たち ぴいち
私が「つるの笛」を読んで心に残ったところは三つあります。
一つ目は、脚の悪い鶴が、さっきね、何か無いかと思って沼の中を探していたのさ。そしたら、カチンと固いものが口にさわったので、あわててくわえたら、この笛だったのよ。何だろうと思ってね、いろんな風にくわえていたら、ふっと竹の小さい穴からきれいな音がしたのさ。もう、お腹がすいたのも忘れて、これを吹いていたのさ。と言ったところです。私は、
「その笛の音色を聴いてみたいな。」
と思いました。きっと静かな寂しい村の中に響き渡る透き通った音だと思います。そしてもし私がそんな音を聞いたら思わず音に向かって歩き出してしまうと思います。
二つ目は、自分達をおいて勝手に飛んでいってしまったたくさんの鶴たちを恨んで、ふたりは毎日愚痴ばかり言っていましたけれど、笛を拾ってからは、笛の音色があんまりきれいなので、ふたりは乏しい食べ物に満足して、楽しかった思い出話や、遠くに行った鶴たちが幸福であればいいという話ばかりになりました。というところです。私は、
「どんなにこの笛の音がきれいでも、聴くものの心に届かなければふたりの鶴のような気持ちにはなれないだろうな。」
と思いました。
この村は食べ物がなくなってしまったので、つるが群れになって村を見捨てて出て行ってしまったのです。
お母さんが、
「昔、武士がいたころの戦争のあとの村の様子でしょう。」
と言っていました。きっとふたりはどうすることもできないほど不安だった時にこの笛に出会ったのだと思います。
最後は自分が読んでいて、
まるで夢をみているみたいに思えたところです。
やがて、金色の空から、一羽二羽、三羽四羽、村をすてていった鶴たちが笛の音色にさそわれてもどって来ました。
「逃げた鶴たちは、笛の音で、多分笛を吹いている鶴の気持ちを聴いたのではないかな。」
と思いました。
つるの笛はきっと神様からの贈り物だったと思います。
講評 tama
今回は、自分で読んだ本の感想文だね。「つるの笛」がどんなお話なのか、ぴいちちゃんの説明だけでよくわかったよ。
心に残ったことを一つずつ説明してくれました。脚の悪い鶴が食べものを探しているうちに、きれいな音のする笛を見つけたんだね。お腹がすいていることも、仲間がいなくなった寂しさも忘れるほどのきれいな音色だったんだね。「もしその音を聞いたら」と想像したんだね。「音に向かって歩き出してしまうと思う」とぴいちちゃんらしい感想が書けたね。
※ 文から抜き出したところは、「さっきね、〜吹いていたのさ」のようにかっこ書きにします。
食べものがなくなり、自分達を置いてどこかへ行ってしまった仲間のことを恨んでいた鶴が、笛の音を聞くことによって幸せな気持ちになったというところは、感動的だね。ぴいちちゃんにもその気持ちがよくわかったんだね。これはまさに「神様からの贈り物」だね。お話の内容をしっかり読み取り、ぴいちちゃんも鶴の気持ちになって、考えたことを書いてくれたのがよくわかりました。心に残るいいお話だったね。
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