創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   STORY   JOKER

 大人になることは、不思議という言葉を忘れてしまうことなのだろうか。全てを当たり前だと片付けてしまうことが大人のあり方なのか。幼稚園の頃、先生に質問をたくさんぶつけていた。他の大人にも、一瞬でも何故と思ったことに対して問いかけを繰り返していた。「空が青い理由は?」と言われて、科学的な言葉を並べてみたりする。ずっとずっと前に、「神様がペンキをこぼしたから」という解答に辿り着いた。しかも、もしかしたら色が違ったかもしれない、という物語がおまけとしてついてきた。このように、今の時代を生きる人はなるほどと思える答えを考え、導き出すことを忘れてしまっている。そこで私は、物語の大切さを見直すべきではないかと思う。
 見直すための方法として、第一に想像力を働かせることだ。このためには、やはり声だけ・字だけというものに触れることが重要である。ちょうど私は、狂言と落語を見に行った。それはドラマのように外に出向いて行くわけではない。場面場面で道具を使い分けることもしない。表情、声、扇子、手拭いといった、本当に少ない物を使って一つの話を作り上げていく、とても面白い世界である。時間が経って、どんどん入り込んでいくと、本当に(今舞台上で表現している)それがあるのではないか?と思えるほどだ。このように、目で楽しみ耳で楽しむことで自分なりの新しい世界を完成させられる。どんどんそのような場面を見て、培われる力を自分から手に入れたいものである。
 そして第二の方法として、機械的な教育をしないことだ。これはこうだからこうなるんだ。それは科学で証明されている。と、現実にあるものだけを簡潔にまとめ脳に叩き込ませるだけではなくて、どうしてこんな結果になるのか。自分でよく考えさせることを取り入れていくべきだ。ゆとり教育というが、このようなことをするための時間をもっと作ってほしいと思う。「池袋ウエストゲートパーク」という本の主人公、マコトは問題を解決してほしいと依頼され、池袋の仲間から情報を手に入れて問題に立ち向かう…言わば警察のようなことをしている。しかしマコトは、警察の指示は受けず、自分なりの解決策を見据えて行動している。(題材)どうしたら思い描く答えになるのか、それを自分の頭で理解出来るようになればいいと思う。
 確かに、物語は空想である。しかし、何もかも現実として物事を考えるのではなく、ありえないような夢を見ることも大事である。『河童の川流れ』というように、時に嫌なことは忘れて、不思議な空間に流されてみるのもいいのではないだろうか。(表現)太陽は何故沈むのか、空は何故青いのか、星は何故あんなに輝いているのか。幼い頃に思ったあの疑問、この疑問。それを適当にかわして逃げるのではなく、真っ向から見てみる。理由を聞いて大きく頷けるように、その解答をいつまでも考えていたい。どんなに時代が移っても、根底にある不思議は一生消えない。物語は心の中で続いていく。≪*〜アスタリスク〜≫不思議の世界を表現出来る物語の重要性を忘れてしまった大人。だからこそその大切さを理解するべきなのではないだろうか。

   講評   nane

 状況実例、うまい。「神様がペンキを……」はさりげなく個性的。
 想像力を働かせる方法として狂言と落語を挙げたのもユニーク。ビジュアル全盛の時代だから、なおさら価値がある。
 ゆとり教育の生かし方という発想は社会的。「池袋ウエストゲートパーク」は知らないけど(笑)この例もJokerさんならでは。
 「アスタリスク」の詩の引用は、カギカッコで書いておいてくれると助かる(笑)。
 「河童の川流れ」は、得意な人でも得意なところで失敗するの意味。「科学に頼り過ぎて、科学に流されるな」というような形で使うといいかな。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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