国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   外見と本質   ビーバー

 物ごころのついた子どもを動物園に連れてゆくと、たいていの子供ははじめて見る動物の姿に素朴な驚きと興味を示す。それらの動物の生息地の環境や生態、あるいは進化などに興味を持つのは、おそらく中学生以上になってからの話である。科学の発展段階は、まさにそれと同じみちすじをたどる。しかしながら、もしそれぞれの科学が、そのような範囲の中にのみとどまっているのならば、しょせんは記載的な博物学にすぎなくなってしまう。したがって、次に必要なことは、ある事物や現象の形態や振る舞いの奥にひそむ原理を追求することであろう。(要約)私は、物事を深いところまで考えることができるような人間になりたいと思う。
 その第一の方法は、外見などの表面的な部分のみで物事を判断せず、少し深く考えるようにすることである。私は小学生の頃、自分のノートに調べてわかった表面的なことを書き写す程度で、それ以上には何も進歩はなかった。しかし、中学に進学してからは色々と考える機会が多くなり、表面的なものを理解した上で本題に入るようになった。現在中学の最高学年になって学校オリジナルの課題なのかどこの学校でも同じようになるのか分からないが、卒業研究をすることになっている。今までやってきたレポート課題には表面的なことに少し本質を上乗せして提出する、というような感じだったが、今回は調べるだけでなく、実験・検証も詳しくするという作業が加わっていた。今はちょうどその作業中だが、自分で本質をしっかりと見抜き、本質的なものを大いに含めたレポートを作るつもりである。
 第二の方法は、世間に情報を伝える役目をになう雑誌・テレビ・インターネット等のものが本質まで追究したものを報道することである。ヒトラーの伝記によると、ヒトラーはその本質としての情報は当時かなり発達していた暗号技術で暗号化して隠匿し、代わりに国民にはウソの情報を伝達していたらしい。誰から見てもウソらしいウソではない。ヒトラーには情報の本質を見抜く力があったのではないか。代わって現代では、週刊誌やテレビ・新聞等が競って情報を素早く伝達しようとし、競争をしている。しかし、伝えるべきなのは現代ではむしろ中身なのではないか。ヒトラーを肯定しきるわけでもないが、情報を見抜くという作業が現代のマスメディアには欠けていると思う。
 確かに、物事の外面的な事情を理解し、じっくりと観察することも重要である。しかし、「本当に大切なのは外見をじっくり見ることだけではなく、本質にたどり着き、その本質を理解することである。その本質を完全に理解できた時、人間として偉大になれるのである。」という言葉に表されるように、本質を理解しなければ分かったことにはならない。これまで偉大な科学者たちが世界中で大きな発見を続けてきた。それは本質をしっかり見抜くことができたからであろう。私は、多分外面的なものしか見ていなかったのだろうと思う。本質を見抜く努力は必要なので、自分でもこの努力をして行きたいと思っている。

   講評   nane

 要約のかわりに状況実例で書いてもいいよ。
 すると、書き出しの工夫や結びの工夫などもできる。
 卒業研究のテーマは、面白そうだね。こういうことに力を入れて取り組むことができるのが、本当に実力のある人だから、がんばろうね。
 ヒトラーの伝記を挙げたのは、ビーバー君らしい。ヒトラーは、確かに優れた洞察力を持っていた。これからも、こういう自分らしい社会実例を入れよう。
 「大切なのは外見をじっくりと見ることだけでなく……」だと、形は名言だが、内容はそのままなので印象が弱い。
 「現象は、現象をじっくり見ることによってではなく、本質から見ることによって、初めて明らかになる」など。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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