創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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「噴水は飲めない水で」を読んで コムギコ
都市住民は、すべてが役に立つという環境に馴らされているから、目の前に突如として何の役にも立たないものが出現すると、それだけで文化的衝撃をうけ、深く困惑する。つまり、この困惑が新たな文化を創り出すのであり、噴水はそのためのものであろう。 その点、日本はまだ大丈夫である。噴水は、依然として「役に立たないもの」であり続けており、周辺に群がる人々も、依然として「どうしていいかわからない」まま、困惑している。噴水に、電気仕掛けの細工をしたり、照明で色をつけたりするのもよくない。見ているものを楽しませとする工夫であろうが、あれも、噴水の真に噴水たるものを見えにくくさせる。噴水は、ただ水を噴き上げていればいいのである。だが噴水は気持ちをやわらげるものだと僕は思う。
僕の家には熱帯魚がいる。一見魚が数匹泳いでいるだけで何の役にもたっていないようにみえるが、なんとなく見ていると、いろいろなことが発見できたり、気持ちがやすまったりする。ただ飾ってあるだけのもので、役にたたないように見えるが、心を安らかにしたり、気持ちよくしたりする役目があるのではないかなと思う。そういう物はたくさんありそうだ。
学校には花壇がたくさんある。いろいろな草花が咲いているが、それは何のためなのかなと思う。だが何も咲いていないのと咲いているのでは雰囲気が違う。咲いていると気持ちも、さわやかになるが、やっぱり咲いていないとさびしいきもちがする。そう考えると役にたたないものとは言えなくなってしまう。だが、役に立つものがあるといいなという気持ちがしてきて役にたつものしかなくて役に立つものだけがあるとつまらない気がしてきてしまうだろうなと思う。
役にたたないものとは、人間にとってたくさんあっても困るし、無ければつまらない物 だと思う。なので人間に役に立たないものがたくさんあったり、役に立つものがたくさんあったり、人間も暮らせなくなってしまうので役の立たないものと役にたつものの両方が同じくらいでかんかくをとっていれば、ちょうど良く人間も暮らしていけるのだと思う。
講評 muri
役にたつものばかりが、必要なものとは限りませんね。
熱帯魚や草花の役割をとてもよく考えることができました。何事もそういうゆとりがほしいものです。
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