国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2426 今日1592 合計53928
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   手作りっていいな   うさちゃん

 今も日本はすばらしい手仕事の国だ。しかし、西洋では、機械の働きがあまりにさかんで、手仕事はおとろえてしまった。機械によらなければできない品物があるとともに、機械では生まれないものがかずかずあるわけだ。機械に任せてしまうと、第一に国民的な特色あるものがとぼしくなってくる。さて、興味深いことには、手仕事による品物は、どんなに美しい場合でも、作った人の名をしるしたものはない。「美術品」と呼ばれる物を見ると、みな銘が書き入れてある。または落款がおしてある。つまり、かれらは品物で勝負しているのだ。物でのころうとしているので名で残ろうとするのではない。
 コンビニのお弁当は、おなかがすいている時なら美味しく感じられるかもしれない。でも、いつも同じ味だし、毎日食べたい。とは思わない。それに比べてお母さんの作ってくれるご飯は、ときは失敗することもあって、ちょっと美味しくなかったりもするが、私たちのために作ってくれたのだと思うとがんばって食べられる。しかし、たいがいは、美味しいし、安心して食べられる。
 私の学校は給食だからお弁当の時は遠足か、運動会の時しかない。遠足や運動会自体も楽しみだけど、その日のお弁当も楽しみだ。私は、その日の前日に、
「明日のお弁当はタコウィンナーと、卵焼きと、サンドイッチと・・・。」
というふうにお母さんに注文する。お母さんも、そのほうが楽らしい。この間なんかは、朝五時くらいから作り始めていた。私は朝早く起きると、お母さんが作っている隣でうろちょろしながらお弁当を作っているところを見ている。そうしていると、時々、私が
「あーっ。」
と口をひな鳥のように開けると、その中にお弁当をぽんっと入れてくれる。お弁当のフライングだ。この間はエビフライをフライングした。お母さんの手作りのお弁当は中味が分かっていてもやっぱりおいしい。
 お母さんの手作りはまだまだ続く。私の幼稚園のお遊戯会のドレスがそうだ。少しはミシンで作った所もあるそうだが、スパンコールや、ビーズや、フリルは一つ一つ手ぬいでていねいに付けられている。それもビーズや、スパンコールは百個以上もあるのだ。私にはもう着られないけれど、これだけは誰にもあげたくないと思っている。お母さんは、このドレスを作り終わった時、
「今までで作った中で一番満足した。」
と言っていた。私はこのドレスを見ていると、お母さんの努力と、私への愛情が伝わってくるような気がする。
今では、幼稚園の通園バックも、お遊戯会の衣装も、買おうと思えば買える。でも、手作りは心がこもっていると思う。
 日本は今でも手仕事が多い国だ。しかし、最近機械が多くなり始めている。確かに機械は、
「スイッチオン」
で動くし、大量生産ができる。でも、手仕事の方が、『親切に作られる』し、『仕事に喜び』がある。さらに、私は、手仕事だと、
「そうだ今度はこうしてみよう」
という工夫ができると思う。まさに、『好きこそものの上手なれ』だ。そして手仕事には何より「心がこもって」いるということが分かった。

   講評   tama

 お母さんの手作りの品には、うさちゃんへの愛情がたっぷり詰め込まれているんだね。誰にも真似のできない、世界でただ一つのものを大切にする気持ちが感じられました。

【要約】 しっかりとまとまっています。ただ後半の「つまり〜」の後は、職人のことであって美術家のことではないので、文の順序を入れ替えておくといいでしょう。(「〜とぼしくなってくる。『美術品』と呼ばれる〜。しかし興味深いことには、〜ものはない。つまり〜。」)

【前の話聞いた話】 手作りのよさ、という点で、お母さんが作ってくれるお弁当とコンビニのお弁当を比較して考えてくれました。中身は同じでも、お母さんが作ってくれたものは飽きないのが不思議だね。
 お遊戯会のドレスも、どんなに豪華なドレスを買ってもらうよりも嬉しかったことでしょう。うさちゃんに一番似合うように作ってくれたドレスだものね。

【たとえ・ことわざの引用】 「お弁当のフライング」はよかったね。私もよくやってしまいます。(^^ゞ 
 作ることの楽しさを知り、好きになればもっと上手になれる。まさに「好きこそものの上手なれ」ですね。

【わかったこと】 材料費や手間を考えると、買って済ませる方が得だという考え方もありますが、やはり心のこもった手作りの品にはかなわないということだね。この気持ちを大切にしてくださいね。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)