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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私の周りの手作り品   オーロラ

 西洋では機械の働きがあまりにさかんで、手仕事の方はおとろえてしまった。しかし、それにあまりかたよりすぎてはいろいろの害が現れる。だから、各国とも手の技をもり返そうと努めている。欧米の事情にくらべると、日本ははるかにまだ手仕事に恵まれた国なのに気づく。日本では、じつに多くの職人たちはその名をとどめずにこの世を去っていく。かれらが親切にこしらえた品物のなかに、かれらがこの世に生きていた意味が宿る。かれらは品物で勝負しているのだ。物で残ろうとするので、名で残ろうとするのではない。(要約)
 私の母はよく物を作ってくれる。幼稚園のときの手提げ袋は、すべて母の手作りだった。小学校でも、体育着袋や音楽袋も母の手作りだ。今ではそんなに作らなくなったが、物の修理、洋服の直しなどは母担当だ。
 以前、こんなことがあった。私が二年生になるとき、新入生の説明会に使うということで、先生に私の手提げ袋を貸してほしいと言われた。先生は説明会で、入学までに準備するものとして、
「こんな袋を作ってください。これは見本です。」
と、私の袋を見せた。その手提げ袋には、恥ずかしいことに、母がパソコンを使って作った私の顔写真がアイロンプリントされていたのだ。新入生のお母さん達は(えー、顔写真まで入れるのー)と思ったに違いない。あちこちで、「えっ」という声があがったそうだ。だから先生は慌てて
「顔写真は結構です。」
と言い訳をしたという話だ。(笑)
 母の母である祖母も、よく洋服やバッグを作ってくれる。最近では、母とおそろいで色違いのバッグをつくってくれたりもした。今年の夏、水玉模様のワンピースやパジャマも作ってくれた。
 祖母は焼き物も作る。孫達にも粘土で、作品を作らせてくれる。私達がみんなで立体を作ると、その次に会うときまでに焼いて色をつけておいてくれる。そうした私や従兄弟の作品はみんな、祖母の家の玄関に、まるで蚤の市のように飾ってある。もちろん、すばらしい作品ばかり、とはいかないが、祖母は嬉しそうにしている。
 この作文を書きながらわかったことがある。私の周りは、日本人らしい手先の器用な人が多くて、かなり手作りのものに恵まれているということだ。祖母から母へと受けつがれたものを、私も頑張って守っていきたい。(ちょっと自信が無いけれど。笑)

   講評   nara

 ふふふ、手作りの手提げ袋は、そのものだけでなく、そこにまつわる思い出話もあたたくて、心にずっと残るだろうな。新入生の見本になるくらいだから、きっとすてきな手提げ袋だったに違いない。それは、形とか色とかだけでなく、「この袋を持って、元気に学校に行ってね。」というお母さんの気持ちが伝わってくるから、だと思うよ。
 お母さんが手作り派なのは、おばあちゃんから受け継いだからなのだね。小さい頃から、おばあちゃんのおかげで手作りのもののよさや味わいに親しんできたから、オーロラちゃんにも同じように接している。この流れ・連鎖(れんさ)は大切にしたいな。
 残念ながら、今は手作りのよさを味わう前に、機械製のものがどんどん生活に入り込んできている。だから、手作りと機械製のものとを比較して、それぞれのいいところや悪いところを考えることもできない状態なのかもね。長文の最初に「機械に任せると国民的な特色がとぼしくなる」と書いてある。だれが機械を動かしても、同じものが出来上がるからだね。手作りだと、一つとして同じものはできない。機械でものを作ると、早く・たくさん・同じものができる、これを「効率的」と考えてみよう。効率的なことは悪いことばかりではないけれど、効率だけでははかれないものもあるということだね。
 忙しそうだけれど、時間があったらこの作文を清書にして送信しておこう。11月はもっと忙しいかな。体調管理にも気をつけてね! 

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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