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　　　バターバナナ　　　ぼんちゃん

　「うーん,いい香り。」
私の好きな食べ物は,バナナだ。あのクニョッとした食感が好きで,母が買ってきたものはまだ青くても食べてしまうほどだ。私はどんなバナナの食べ方も好きで,バナナジュースも熱したバナナも大好きだ。私,母,妹は食べ物の中でもグニョッとした食感がすきなのだが,父はただ一人グニョッとした食感がきらいなのだ。おでんに入っているちくわぶも嫌いだし,洋梨あのラフランスまで嫌いなのだそうだ。父は普通のシャキッとした梨などがすきなのだそうだ。逆に私は家族の中でただ一人,コリッとした食感例えば生の貝などが苦手だ。人それぞれ好き嫌いがあるのだろう。
　私は熱したバナナが好きだと書いたが,私と母と妹が好きなバナナの食べ方がある。バナナはもともと熱しても大変おいしい果物だ。その食べ方は,まず皮をむいたバナナを皿にのせ,バターをバナナの上にのせる。この時,バターをケチるとバナナを熱した後にバターのかかっていない部分は黒くなってしまう。少しカロリーは高くなるが,バターは少し多めにしたほうがよい。それから電子レンジでチン！大体1分くらい熱する。バナナが崩れたころを見計らって取り出し,最後にシナモンをかける。これで出来上がり。まるでレシピのようになってしまったが,こうするととてもおいしいトロトロ（？）なバナナができる。しかし,中にはこのグジョグジョ感が嫌いだという人もいる。
　このバターバナナ,実は私の母が子供のころに考え出したバナナの食べ方だ。バナナを生のまま食べるのも芸がないと思い,バナナにバターをのせ,電子レンジでチンをしたところ,それがおいしかったのでそれ以来そのバナナの食べ方は,母のお気に入りになった。しかし,そのグニョッとしたバナナを見た,母の家族は
「何それ,気持ち悪い。」
と言って母のバターバナナを試食してみようとはしなかったそうだ。ちなみに,最後にシナモンをかけることを考えだしたのは私だ。そのころ私は,シナモンロールなどシナモンに凝っていたときだった。あの大好きなバタバナ（バターバナナの略）にかけてみたらどうだろうとかけてみたところ,それがおいしかったのでそれもレシピに加えられたのである。
　私がこの経験からわかったことは二つある。一つ目,必要は発明の母,母はバナナの新しい調理法がないかと考えたため,あのすばらしいバターバナナができたのである。もう一つは,先入観にとらわれないで試してみること。私も先入観で判断してしまう傾向が少しある。しかし先入観を取り払ってみると,意外と新しい世界に出会えるものだ。その先入観を取り払って出会ったのが,バターバナナ。今日も台所にいい匂いが漂っている。
「うーん,いい香り。」

　　　講評　　　kirara

　私もさっそくバナナを買ってきたのですが、１本、また１本となくなっていき、とうとう「バターバナナ」にならずに終わってしまいました。今度こそ！
　＜＜こうせい＞＞書き出しのかぎかっこを結びに使い、初めと終わりをしっかりつなぐことができました。これで文句なしの◎ですが、この作文の場合、最後のかぎかっこをなくしても「書き出しのむすび」ができています。「台所にいい匂い・・・」という表現が、書き出しと結びついていますよね。
　＜＜だいざい＞＞お母さんが考え出した、ということを、とてもわかりやすく説明できました。家族には不評だったというところも、話をおもしろくしていてとても上手。
　＜＜ひょうげん＞＞お母さんにとっては、バナナの新しい食べ方が「必要」だったんですね（笑）。この作文だからこそ、ちょっと大げさなくらいのことわざがアクセントになっています。
　＜＜しゅだい＞＞「先入観にとらわれないで・・・」という意見は、今後の長文でも役に立ちそう。いい意見は自分の中にとっておいて、他の週の感想文などにも使えることを覚えておきましょう。