国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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二つの未来 れもん
人は、人間の種類を二つに分類するのが好きらしい。男性と女性であったり、理系と文型であったり、そして、アナログ的とデジタル的であったり。ほぼ同じような形で誕生した私たちは、成長するにつれて、他人とは異なる自己を確立し、認識していく。それが、先天的な要素から形成されているのか、後天的な要素の影響からかは不明だが、ある程度、私たちは自分自身を自分の意志で変化させることが可能である。私は、アナログとデジタルの両方の利点を生かせるような人間になりたい。(主題)
その方法として、第一にアナログ的な尺度を身に付けることだ。アナログ的な人間の代表として挙げられるのが、野球の巨人軍終身名誉監督である長嶋茂雄氏である。長嶋監督は、プロ一年目の年に、本塁打を放ったのに、ベースを踏み忘れて、アウトになってしまったという有名な逸話がある。その一本のせいで、「3割30本100打点」という野球人にとっては名誉ある記録に本塁打一本足らずに、達成できなかった。つまり、彼は「記憶より記録に残る男」とも言われているように、記録には、あまり執着しない。しかし、彼の残す言葉には、不可解な点も多いにも関わらず、不思議な魅力がある。そしてアナログ的な感覚は、長嶋氏の不動の人気や実績が物語るように、人の心を動かしてしまう力を秘めている。アナログ的な感覚を吸収するのに、一番必要なのは、心のゆとりである。忙しい中にも、ユーモアや思いやりなど、ゆとりを忘れずにいきたい。(複数の方法Ⅰ)(伝記実例)
第二の方法としては、勿論デジタル的な発想も可能にしておくことだ。子供に「100点取ったら好きな物を買ってあげる」という親がよくいる。それが、良いか悪いかは別問題として、そう言われた子供が、俄然やる気が出るのは当然である。このように、何か目標をたてるときや、分析するとき、デジタル的な解釈をすることで、誰かの秘めた能力を引き出せることもある。(複数の方法Ⅱ)
確かに、自分の得意な分野を伸ばすことも大切である。しかし、一つの事柄には必ず利点と欠点が存在するように、どちらかを万能視するのではなく、両方を理解し、使いこなすことも重要である。未来には、ひとりでにできる未来と、自分で作る未来との二つがある。自分の才能をあても無く探索し続けるのも大切だが、それより、様々なことに挑戦し、自ら可能性を引き伸ばしていく努力も必要である。私は、デジタルとアナログの両方を理解し、兼ね備えた人間になりたい。(名言)(主題)(反対意見への理解)
講評 nara
れもんさんの作文としては、それほど字数の多い方ではないけれど、すっきりとまとまっているね。字数を絞り込んで投稿することもできそうだな。
第一方法は、れもんさんらしい題材だ。長嶋氏の数あるエピソードは、どれも「そんなのあり!?」と思えるようなものばかりだし、実際に身近な人が同じようなことをしたら、批難されそうだ。長嶋氏の人間的な魅力があるからこそ、好意的な解釈をされたのだろうね。アナログ的な部分を好意的に受けとめられるのは、その人本人の魅力もあるだろうし、受けとめる側の心の持ちようもあるようだ。
デジタル的な発想のよさは、客観性ということになるだろうか。漠然と「一生懸命がんばれ」と言われても、何をどうすればいいのかわからないし、がんばらなくても「がんばった」と言うこともできる。数値目標を立てることは、わかりやすくもあり、また確実でもあるのだね。そして、比較対照しやすいという意味では厳しさも持っている。
まとめにあるように、アナログもデジタルも、利点・欠点をそれぞれ持っている。本来の活かし方の逆をいったときに、アナログの利点たるところが欠点にすりかわり、デジタルの利点が欠点になる。大切なのは、れもんさんも述べたように「両方を理解する」ということね。それぞれが、相手を否定するのではなく、相手を補完するような使い方ができるといいのだ!
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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