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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言語がもたらす地球環境   まなピー

 人間と他動物との決定的な違いは何か。それはもちろん言語能力である。言語を用いることによって、人間は相互にコミュニケーションを行うだけでなくて、一人一人の環境の風景を無限に拡張することができるようになった。しかし、人間は言語能力というすばらしい力を保持しているというのにそれを利用して、地球をよくしようという心意気がない。しかも、私たち日本人は若い世代になるにつれてだんだんと、言語能力が劣っているようだ。このまま人間が力を温存し、しかも能力を劣らせていくようでは、一番優位な人間がよりよい地球環境を築けなくなるだろう。
 そのための対策として第一に、日本人の国語力を見直すことが必要である。最近は、日本語に関心が寄せられ、さまざまな日本語マナー本などが出版されているようであるが、それでもまだ日本人の国語力の低下を防ぐことはできていないようだ。私は、国語力は幼少期の読書量と比例していると思う。なぜなら、感受性の大きい幼い時期にたくさんの本、言葉と触れ合っておけば、大きくなって難しい評論や文に出会った時、抵抗がないだろうと考えているからだ。実際、読書を好みよく本と触れ合ってきた人は、大きくなってからも本を好むし、その積み重ねで語彙力も増えていっている。であるから、読書を心がけるべきだ。そして出会った本から、盗める言葉を自分のものにし語彙力を高めることで国語力も向上させていくべきだ。
 また第二の対策として、先ほど述べた対策を的確に活かすことが大切だ。いくら国語力があってもそれを活用できなければ、宝の持ち腐れである。ビートたけしの「みんな自分が分からない」という本には、環境問題について彼の考えが詰まっている。しかも文体が口語的で読みやすく、かなり特徴的だ。普通評論にしろエッセイにしろ、それなりに硬い文章を書くものだが、それはあまりにも軽い口調だったので私は拍子抜けしてしまった。しかし、言いたいことはよく伝わってくる。そんなに難しい言葉も表現も用いていないのにだ。これはやはり、著者の国語力の高さの表れなのだろう。自然について、歴史について知識を入れたらそれを社会に自分の考えと共に、アピールすることが重要である。知識を温存するだけでは、まったく役に立たない。これからの地球のためにも、ビートたけしを見習って自己主張を心がけるべきである。
 確かに、私はここまでどれだけ言語が大切かを述べてきたが、別に言語だけがコミュニケーションの方法ではないし、他動物との接触には言語はまったくの無益なのである。そして地球環境をよくするためには言語よりも、人々の心の中の意思を強くするほうが大切だ。しかし、
「言語は戦争でなく、平和を呼ぶものである」
というように、地球環境改善の第一歩は何よりも、人々の同方向の環境対策であり、そのためには言語がないとまとまらない。人間に与えられた特権をフル活用して、他動物にできないことをするのが、人間の役目であり使命である。そのためにも言語能力は、非常に大切なのだ。しかし、言語による環境対策を怠っているようでは、いつまでたっても改善の兆しが見えないだろうし、また言語能力の衰えも非常に深刻な問題である。

   講評   huzi

 人間があらゆる生物を支配することができるようになったのは、言語を使いこなした成果。しかし、今、その言語の力が見失われている。長文から問題意識を見つけるなら、このあたりになりますね。抽象的で大きなテーマを、具体的な内容で説明できるかがポイント。
  【対策】は、かなり具体的に切り込んできましたね。日本人の国語力を見直す。日本人と限定しないほうがいいと思いますが、例に書いた読書体験の話は、説得力があります。2番目の【対策】には、【長文実例】を用いたね。自分が得た知識や技術を適切な言語表現を用いることにより、社会に生かす。どの学問も、最終的にはそこが到達点になるのではと思います。ビートたけしに見習った自己主張の部分には、(笑)でもあったほうがよさそうかな。
  【自作名言】もよく考えましたね。「(かぎかっこ)」でくくって示すより、文章の中に入れ込んだほうが流れが自然になりますよ。さて、最後にふたたび【予測問題の主題】に戻るとき、どのように書くかは意外に難しいかも。同じところに着地してしまうと、せっかくの盛り上がりが生かせないので、たとえば
 ・言語能力は非常に大切だという意識を持ちながら、言語に関わる問題を解決しなければならない
などと、多少、プラス方向への動きを見せるとよさそうですね。

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