国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   もの真似技術の誇り   れもん

 「もう少し昔に生まれれば良かった」。幼い頃、そんなことをよく考えていた。物がまだ全く無い時代に生まれれば、私にも歴史に名を残すような重大な発明ができたかもしれない。そんな単純な発想だったのだが、無知な私が、そう思えたのも「もの真似」のおかげだからだ。独創性とは、本来、時間軸の上で非常に際どいバランスを保って成立するものである。独創性によって生まれた、発明が永遠に発明だけで終わっては意味がないのだ。それが応用され、実用化され、奇異な物ではなく普通の存在になり、その繰り返しで進歩していくのだ。日本人は他国から、独創性がなく、ただの「もの真似上手」だと批判され、日本人もそれに対してコンプレックスを抱いている。しかしもの真似は、独創性以上の地道な努力や苦労によって生まれることであり、発明と普通の生活を繋げる、大事な橋渡しの役目を負っているのである。模倣にコンプレックスを抱く必要はない。模倣は本人の中に、基礎的な土台がなければ、不可能なことなのだ。私は、模倣できる能力に自信を持って生きていきたい。(生き方)
 その第一の方法として、良い手本を探し、自分も良い手本になることだ。現代は、核家族化が進み「子は親の背中をみて育つ」などという言葉は、古くなってしまった。しかし、身近に手本がいないと、土台もできていないのに、偽の独創性に走り、脆い人間になってしまう。自分が、堂々と胸を張れるような生き方をしていなくても、自分の生き方を次の世代に、言葉ではなく行動で提示していく必要はあるのではないか。そして、その身近な手本を真似ることによって、やっとその人の気持ちが実感できるのだと思う。(複数の方法Ⅰ)
 第二の方法として、教育などで、模倣の大切さを教えていくことだ。日本が世界に誇る、映画監督の宮崎駿監督は、膨大な読書量で、自らの独創性を築いていった。様々な価値観や思想を知り、取り入れ、そして自らの独創性を創造する。模倣は、独創性を生む、大切な土台なのだ。それに、もともと一人一人違うのだから、もの真似にも個性があるはずだ。その個性がまた、新たな独自性につながる。もの真似は、効率の良い理解の仕方なのだ。(複数の理由Ⅱ)(伝記実例)
 確かに、模倣だけで終わっては意味がない。しかし、模倣は物事の大切な基礎なのだ。勉強でも音楽でもスポーツでも、基礎ができている人は応用にも強い。始めることも大切だが、やり遂げることの方が、もっと大切である。発想を実現につなぎ、そこから新たな独自性を生み出してきた、日本の「もの真似技術」に、私は誇りをもって生きていきたい。(反対意見)(名言)(生き方)
                 
                  

   講評   nara

 第一段落は、重厚で読みごたえがあるなぁ。発明というある種奇異なものが生活に定着し、普通の存在になる。そして、新たな発明が生まれる。その流れの中で「模倣」が果たす役割について、力強く論じてあるね。発明ということでは、課題長文ネコヤナギ3.2週も参考になる。「今まであるものの組み合わせによって、発明が生まれる」というような内容だけれど、この組み合わせもある意味「模倣」になるのかもね。
 手本というのは、揶揄された使い方をされることもあるけれど、こう考えるといい言葉だ。手本は独創性の大元になっていて、それを軽んじた独創性は、偽のものなのだね! 独創と独善は別ものだ。
 教育の場では、ややもすると「独創」と「独善」をごちゃ混ぜにして、「人とは違う」イコール「いいことだ」と単純につなげているところがあるかもしれないな。読書から何かを学ぶことも、また模倣の一パターンだということね。そもそも「学ぶ」は「まねぶ」ということだから、学びの場で模倣の大切さを教えるのは、至極当たり前のことなのだね。
 学ぶということは、人間に与えられた大きな能力だ。その能力があったからこそ、発明も独創も生まれたのだから、物まね能力を誇ることは、人間の能力を誇ることでもあるわけだ!

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