国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   フィンランドの(感)   ポッター

 自然界にいる動物は、医者が診てはくれないから、自分で自分の体に気をつけて暮らさなければならない。いま、自分の体は食べ物を求めているか、水を必要としているかといったことについて、自分の本能が内部でささやいている声を聞きとっているのだ。ところが、そういう本能を聞き分ける感度が、私たちの場合、一般に、恐ろしく鈍ってしまっている。過保護が依存を生む。そして、自律が自立につながるのだ。
 確かに、管理や過保護は個人の可能性を縮めている点であまり良くない。
 最近、よくニュースで「いじめ」についての問題が取り上げられている。その問題のせいで、自殺をする子も多数出ているのは、皆さんも知っての通りだろう。「いじめ」というのは、相手が自分より弱いということから始まる。では、何故相手は弱いのか。それは、自分の意志をしっかりと持っていないからだ。言い換えると、そういう子は親の用意したレールを走っているだけなのである。親は自分の子供に「安全な道」を歩かせたいが為に、ついつい子供の行く先に手を入れてしまう。子供が興味をもってやろうとしていることも、親の考えに合わない、危険だという理由でやめさせてしまったりもする。確かに、そうすれば目の届く範囲で安全に生活できるだろうし、親の考えに答えてくれるだろう。だが、考えてほしい。その子供は大人になって、立派に自立して生活できるだろうか。野生動物の様に、弱肉強食の世界で生き残れるだろうか。答えは言うまでもないだろう。ただでさえ人間は弱い動物なのだ。その類の中でも弱いと言うなら、サバイバルゲームに参加する資格など、持てる筈が無い。
 強い人間は、幼い頃から自立への道を歩んでいるのだ。「百聞は一見にしかず」という言葉を聞いたことがあるだろう。何度も同じことを繰り返し聞くよりも、自分の目で見ることが大切だということだ。これが、生き残れる人の秘訣だと思う。危ないことを「してはいけない」と聞かされるよりも、見て、体験して、そうすることで本当に理解できる。勿論、親の腕の中で育った子供は、そんなことを学習できない。「子離れ出来ない親」が「親離れ出来ない子」を作ってしまうのだ。過保護すぎるのは逆に、子供の可能性を弱め、伸びにくくしてしまう。手を緩めて、早くから自立心を育て、可能性を伸ばして行くことが大切だと思う。
 しかし、時には保護や管理も必だ。生き物は全てそうだが、自分一人では決して生きて行けない。ましてや、子供が誰の手も借りずに育って行くことは、不可能である。赤ちゃんのときは母乳を飲ませてもらうし、成長しても職を持つまではお金がないので、衣食住は賄ってもらうしかない。そういった中で、どう育ててもらうかということが、非常に大切である。
 私は幼少時代からとてもやんちゃで、手の付け用が無い問題児だったらしい。私の両親はおおらかな人だから、何でも割と自由にさせてくれたことが原因かもしれない。けれど、自由な分だけ躾も厳しく、叱られる事も何度もあった。そうかと思えば、良い事をすれば褒めてもらったり、様々な事を教えてもらった。私が自ら実行することを見守り、助けを求めれば少し手を貸してくれた。「みつばちマーヤの冒険」という物語を知っているだろうか。マーヤは一人で旅に出るが、様々な人(?)達に支えられ、すくすくと育って行くのだ。このように、ささやかな愛情や優しさも必要だと思う。
 保護や管理はそれ自体が良いとか悪いとかではなく、成長に合わせてどう調節していくかが大切なのだ。管理する側は、いわば「庭師」のような存在であると思う。枝を切り過ぎてしまえば、大切なものまで切り落としてしまう。しかし、多すぎる養分は葉を腐らせ、雑草を増やし、成長を妨げてしまう。切り過ぎず与え過ぎず、見守りながら世話をすることが大切だと思う。
 

   講評   inoko

 ポッターさん、こんにちは。子どもをめぐる様々な問題や事件が多い昨今、子どもをどう育てるべきかということは、より難しい問題となっています。子どもを育てることが、一人の人間を世に送り出すことだと考えると、無責任に子どもを育てるわけにはいきません。しかし、子どもの意志や人格を無視し、親の思い通りに育てていいわけでもありません。子育ては人間対人間の問題で、家庭により事情が異なりますから、一概にこれが正しい育て方だという答えを出すべき問題ではないでしょう。ただ一つ言えることは、常に子どもに対してあたたかいまなざしを向けることが必要だということです。
☆ 親の立場を「庭師」にたとえたところはさすがです。これは親だけではなく、先生の立場にも当てはまりますね。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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