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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然の偉大さ   レックウザ

 「私たちは長い間、木綿と木の中で暮らしてきた。だが明治以降それを捨てて、新しいものへ、新しいものへと人工材料を追いかけてきた。期は同じ種類のものでも、産地によって立地によって、材質が少しずつ違う。私たちは、機械文明の恩恵の中で、工学的な考え方に信頼をおくあまり、数量的に証明できるものにのみ真理があり、それだけが正しいと信じすぎてきたきらいがあった。だが、自然がつくったものは、気のように原始的で素朴な材料であっても、コンピューターでは解明できない側面をもっているのである。」私はこの長文を読んで、自然について深く考えた。自然。それは人工よりほど遠いものであり、身近なところにあるもの。今、人間は人工をどんどん作り出し、自然を破壊していっている。そもそも、人間たちに自然というものがどんなものかわかっているのだろうか。人工化を求めている者は、きっと自然をあまり知らないでいるのだろう。
 3年ぐらい前、私は友達も誘ってキャンプに出かけた。場所は森の中。キャンプ場について翌日、森の中を探検した。コーチの後ろに一列になって並び、森の中を歩いた。しばらくすると、木々がざわざわとざわめいた。まるで私の髪をさらりとなでるように、気持ちの良い風が吹いた。森の香りを持ってきて、私はその香りをかぐと、一瞬うとうとして立ち止まりそうになった。だが、後ろから生徒がついてくるのに気がついて、歩き続けた。しかし、後ろの生徒もうとうとしている様子だ。前の生徒も同じ様子。みんな、この自然の気持ちよさにうとうとしていたのである。していないのは、先頭のコーチだけ。みんなが一瞬立ち止まると、コーチは大声で叫んだものだった。
「ぼーっとしてないで、みんなちゃんと歩きなさい。」
生徒はこの鋭く、冷たい声を聞いて、はっと我に返り、また歩き続けた。しかし、また生徒は立ち止まってうとうとし始めた。生徒が立ち止まると、再びあの鋭い言葉を浴びせられ、また我に返り、歩き続けて、またうとうとして、コーチの声を浴びせられて・・・。この繰り返しだった。きっと生徒たちは、自然と触れ合いたくて仕方がなかったのだろう。小屋に帰ると、皆不満そうに顔をしかめていた。その日はとても暑かったので、私は小屋に入るなり扇風機をつけた。しかし、何だか気持ちがよくならなかった。涼しくはなったが、どんなに風を強くしても、なかなか気持ちが良くならない。森の中を探検しているときは、全然暑くもなかったのに。風が髪をなでているときは、とても気持ち良かったのに。そのとき、私は気づいた。人工の風より、自然の風の方が気持ち良いことを。人工の風は、鋭くとがった風が吹いていたから、涼しくても気持ちが良くならなかったのだ。それに比べて自然の風は、まるでクッションのように肌触りが良く、心も穏やかになるのだ。
 今年の一月、友達や祖父母から年賀状が山のように届いた。年賀状の山を見た私は、興奮して年賀状を一枚一枚見た。友達からの年賀状は、ほとんどワープロのものだった。祖父母からは、手書きのもの。私は友達からのと祖父母からの年賀状を見比べてみた。ワープロの年賀状は、格好はいいが、堅苦しい感じがした。「新年あけましておめでとう」という字も、何だかロボットみたいな読み方をしてしまう。続いて手書きの年賀状を見てみた。格好はワープロに比べて少し良くないが、でも暖かな気持ちになった。「新年あけましておめでとう」。この言葉がワープロに比べて、意味が深く感じられたのだ。暖かな気持ちになって、ほんわかとした年になりそうな、とても心地が良い字であった。自然の中に包まれるような、そんな気持ちがした。
 人間にとって人工的なものとは、とても便利なものである。しかし、自然も忘れてはならない。心地の良い風、木々たちの香り、しずくの音、パチパチと音を鳴らす火・・・。気持ちが良くなるものが、自然にはたくさんある。いや、自然そのものが人の気持ちを良くするのだ。「井の中の蛙大海を知らず」と似ている。人工のものがどんどん作られて欲しいと思っている人は、自然の偉大さを知らないのだ。人工のものだっていいが、皆には少し、自然のものにも興味を持って欲しいと私は思っている。

   講評   hoemi

 こんにちは、☆shooting star☆さん! 自然から与えられる恩恵とは人が考える以上に大きいものだよね。人は自然に生かされている存在。だから自然を破壊するのではなく、自然といかに共生していくかを考えるべきなのだろうね。体験実例がとても充実していて良かったよ。
【構成】 長文の骨子をしっかりおさえてまとめられたね。誤字が2カ所あったよ。いずれも正しくは「木」です。
【題材】 キャンプで感じた自然の偉大さについて、くわしく書けたね。自然はやさしくもあり、厳しくもある。雄大な自然に抱かれて過ごした数日間は、☆shooting star☆さんにとって、貴重な体験となったね。同じ風でも扇風機の風と自然の風の違いを肌で感じることができたのは☆shooting star☆さんの感性の鋭さゆえだね。キャンプの話でも、年賀状の話でも言いたいことは共通していて、人工的なものよりも自然(手作り)の方がぬくもりを感じるよね。
【表現】 たとえがとても上手だね。森の中をそよぐ心地よい風、その感触をうまくたとえられたね。センスが光っているよ。また、ことわざの引用もしっかりできました。
【主題】 自然の良さに目を向けることから始めたいものだね。自然の恵みがどれだけ人間にとって重要なものか理解できれば、自然に対する人間の態度も変わってくるだろうね。うまくまとめられているよ。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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