国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   人が見習うべきこと   はる

 鯨や象は、人間の「知性」とは全く別種の「知性」を持っているのではないだろうか。
その「知性」とは、科学技術を進歩させてきた人間の「知性」とは大きく違うものだ。人間の「知性」は、自分にとって外界、大きく言えば自然をコントロールし、意のままに支配しようとする、言わば「攻撃性」の知性だ。この「攻撃性」の「知性」をあまりにも進歩させてきた結果として、人間は大量殺戮や環境破壊を起こし、地球全体の生命を危機に陥れている。これに対して
鯨や象の持つ「知性」は、言わば「受容性」の知性とでも呼べるものだ。彼らは、自然をコントロールしようなどとは一切思わず、その代わり、この自然の持つ無限に多様で複雑な営みを、できるだけ繊細に理解し、それに適応して生きるために、その高度な「知性」を使っている。
私達は、もっと鯨や象の知性に学ぶべきである。(第一段落 要約・意見)
 少しでも鯨や象の持つ「知性」に近づくために、私達は、人間特有の「知性」を攻撃のためではなく、調和のために使うという方法が考えられる。「攻撃」か「調和」か—これらの違いが見えてくる場面は、私達の身に周りに起こっている出来事に目を向ければよく分かる。例えば、試合間近の部活風景や、行事前にクラスで行う練習風景など…。どちらとも「攻撃」と「調和」のどちらか一方を取ることで、結果として大きな差が生じてきそうだ。試合間近の部活風景を例にとって考えてみる。まず、「攻撃パターン」ではお互いがお互いのプレー一つ一つ苛立ち、始終思っていることと言えば、焦りと不安である。結果的にも、あまり芳しくないものとなってしまう。これに対して、「調和パターン」では、互いにポジティブな言葉を掛け合い、常に前を見据えている。間近と言えども、練習もスムーズに進み、個々人に余裕も生まれるだろう。このように、「攻撃」を取るか、「調和」を取るか—返ってくるものは雲泥の差である。(第二段落 方法1・体験実例)
 また、人間も鯨や象と同じような知性を持って生きていた時代がある。その頃を再評価することも一つの方法である。ヨーロッパが侵略を始める前のアメリカ大陸では、インディアンが独自の文化を築いていたと言われている。そこでは、捕った獲物の一部は自然の神に返上するという文化が存在した。これらのインディアンに限らず、あらゆる国や地方で当たり前とされていたこのような習慣を今一度見直すこと必定だと私は思っている。現代人のように、できるだけ自分一人が多くを取るという発想とは対極の考え方だ。(第三段落 方法2・歴史実例)
 確かに、攻撃的な知性は科学と経済を発達させた。しかし、それによって傷付けられてきたものは数知れない。これからは、これ以上何一つとして傷付けることのないよう、私達は自然と調和する知性に切り換えていくべきだ。調和とは、自分一人が和むものではなく、この地球上に存在するできるだけ多くのものが和むものである。皆が心得ることができれば、世界は180度変わるだろう。(第四段落 反対理解・自作名言)

   講評   tama

 人間の持つ「攻撃性の知性」と鯨や象の持つ「受容性の知性」を比較し、自然との調和について考えることができました。自分を取り巻く全てをあるがままに受け入れ、調和しながら生きていくことの大切さを感じます。

第二段落: 「攻撃パターン」、「調和パターン」という両面から考え、どちらを重視するかによって結果が変わるという実例を検証する論述方法がうまいです。結果だけでなく、試合(行事)後のチームやクラスの雰囲気も変わることは明らかですね。

第三段落: 歴史的に見ても、人間は自然と調和しながらその知性を育んできたことがわかります。狩猟民族であるインディアンの例はもちろん、農耕民族であった日本人も、山や畑から全ての食物を採りつくすことはしなかったのです。

第四段落: 多くを傷つけながら科学技術を発達させる時代は、もう終わりにしなければなりません。人間も自然の一部であるということを再認識し、自然と調和しながら生きる方法をもう一度考え直す必要がありそうですね。人間への戒めと平和を願う気持ちで結んだところが非常によくできています。



※ 23日は休み宿題です。清書を提出してください。30日はお休みです。12月7日(12.1週)は進級テストです。課題の長文をよく読んで、準備しておいてください。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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