創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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自分で確かめることの大切さ ショウ
科学的態度などというと、たいへんむずかしいことのように思いがちである。しかし、日常の生活におけるちょっとした心がけ次第でこの態度を身につけることができるものである。科学的態度への出発点は、ものをよく見るということである。習慣や常識にとらわれていたのでは正しくものを見ることはできない。疑問をいだいたら、そのままにほうっておかないで、実験したり調べたりすることがたいせつなのである。
僕は「リンゴの色は?」と聞かれたとき、「赤」と答える。実際、赤いリンゴはたくさんある。しかし、「リンゴで一番美味しいのは赤、黄、それとも緑」と聞かれたら、迷ってしまう。それは、緑や黄のものを食べたことがないからだ。そうすると、赤としか言えなくなってしまう。ほとんどの人がそう思うだろう。しかしこの前、テレビで『リンゴは何色がおいしい?』という番組をやっていた。僕は、当然赤だろう、と思っていた。しかしちがった。黄色が一番美味しいというのだ。それを聞いたとき、僕は、「ありえない」と思った。実際に自分で食べてみたいのだが・・・。
お母さんに話を聞いてみた。お母さんは「モナ・リザ」の絵を教科書や美術の本で何度も見たことがあり、そのときはとても大きい絵を想像していた。しかし、ルーブル博物館に行ってみると結構小さい絵だったので拍子ぬけしたそうだ。でも近くで見てみると、印刷された本の写真とはちがった色合いや味わいが感じられてとても印象的だったということだ。別の話では、子供のときに「あんこを作るとき少し塩を入れる」と聞いて不思議だったが、実際作ってみると塩を入れた方が甘みを強く感じ、こういうのを「かくし味」というのだということがわかったそうだ。
自分の目で確かめたり調べたりすることが大切なのだと分かった。何度聞くよりも一回見たほうがいろいろなことが分かる、まさに『百聞は一見にしかず』だなと思った。
講評 siro
ショウくん、こんにちは。黄色いりんごが一番おいしいとは、先生も意外でした。黄色いりんご自体、あまりお店には置いてありませんものね。ショウくんが考えているように先生も一度口にしてみたいものです。「モナ・リザ」が意外と小さいというのは、何度か聞いたことがあります。今年映画化された「ダ・ヴィンチ・コード」でも出てきましたね。あまりにも「モナ・リザ」という言葉とその絵が有名になってしまったために、人々は大きな額に入った絵を想像してしまうようになったのですね。このように、何でも先入観で物を捉えると、そのものの真実が見えなくなってしまうことがあります。想像は大事ですが、それが思い込みにまでなってしまわないよう、気をつけなければなりませんね。
「百聞は一見にしかず」とは、この感想文に相応しいことわざです。これからも自分の目で確かめていくようにしましょうね。
大変よくできました。
▲書き出しは一文字分空けましょう。
▲三点リーダーは「……」と書きましょう。
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