創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私たちは、「手を上げよう」と(感)   ポッター

 「手を上げよう」というのは意志ともいわれるが、意志さえ強ければなんでもできるというわけではない。泳げない人が「絶対に泳いでみせる」と力んでも泳げない。泳いだという経験がって、「泳ぐ」という言葉が結びついていなければならないのだ。
 「失敗は成功の母」といわれるように、失敗を重ねることによって、次第に成功に近づいてゆくのが脳の自然のはたらきである。ところが、失敗を恐れると、脳も人間も発展しない。「失敗」ということばのために、以前以上に失敗するというのは、ことばを持っている人間の特徴ともいえる。こういう現象を自己暗示というが、「手を上げよう」と思って手が上げられる現象と、よく似ている。つまり、自己暗示は特別に不思議な現象ではなく、私たちはたえず自己暗示によって行動しているともいえるのだ。
 確かに、ことばには私たちの行動や心に良い影響を与える役割もある。
 私は陸上部に所属していて、分野は短距離である。大会には何度か出場し、たとえ入賞出来なくても、個人の記録を伸ばしている。そして今年の十月には、初めての都大会に出場した。個人種目では出場できなかったものの、団体種目のリレーで出場権を得ることができたのだ。
 私は第一走者である。「第一」というのはとても緊張するもので、不安も大きい。まず、スタートが遅れないか、ということがある。去年初めての大会に出場したときには、緊張しすぎてスタートが出遅れてしまったものだ。顧問の先生に「もっと落着いていればなぁ…」と言われたのを覚えている。次に、バトンを上手く渡せるかである。これはどの走者もそうだが、渡す者と受け取る者の呼吸が合っていなければいけない。私達の場合は何回も練習を積み重ね、まさに“阿吽の呼吸”になっている。さて、こんなとき、私が必ずすることと言えば、「精神統一」である。スタート前には周りの音を全てシャットアウトし、一心に集中する。「絶対負けない」という強い気持ちを持って、レースに臨むのだ。いつも通りにやれば、スタートもバトンパスも失敗しない。気持ちを落着かせ、「勝利」という言葉だけを叩き込むのだ。
 「負け」と思ってしまえば、その時点で「自分」に負けた事になる。他の誰でもない、「自分」に負けてしまうのだ。強い言葉によって強い気持ちを持つ。そのプラス面を活かしていく事が大切だ。
 しかし、ことばは時によって、私達の心や行動に悪影響を及ぼす場合もある。
 最近は「いじめ」というものが多発してきていて、一種の流行のようになってしまった。私の学校でも不登校や欠席が多い人など、数人いる。以前、何かの本で読んだが、そういう子を慰めたり励ましたりしてはいけないという。「頑張って」とか「大丈夫?」という言葉は、一見相手を励まし、救いの手を差し伸べているように聞こえるが、実は余計相手にプレッシャーを掛けてしまう、酷い言葉なのだ。
 例えば、自分が頑張っているのに「頑張って!」とか言われたら、嫌な気持ちになることがあるだろう。「こんなに頑張っているのにこれ以上なんて…」と思うこともあるかもしれない。今、この人にどんなことを言えば良いのか、ということを考える事が大事だと思う。
 確かに、言葉は様々な使い方や意味があり、大きな力を持っている。しかし、大切なのは言葉の持つ意味、与える影響、使い方、そして相手の立場を考えて使う事である。「存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある」という名言のように、その「理由」を考える事が必要ではないだろうか。

   講評   inoko

 ポッターさん、こんにちは。
自分が何気なく発している言葉は、相手にどう受け止められているのだろう? 私たちは、自分の言葉が及ぼす影響について一つ一つじっくり考えながら話しているわけではありませんね。しかし、自分自身も他人の言葉に一喜一憂することを考えると、不用意な発言をしてはいけないのだとあらためて感じます。私たちは、言葉の持つ力というものに、つい無頓着になりがちですが、多くのいじめに言葉という凶器が存在することは容易に想像できますね。コミュニケーションの手段である言葉が、良くも悪くも働くものだということを、常に意識することも必要なのでしょう。

字数・項目ともにクリアできました。


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