国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   私の大切にしているもの   えとわ

「モーツァルトは、父が姉に教えているのを聴いていて、ピアノが弾けるようになったんだって。お姉ちゃんのピアノの演奏は、モーツァルトのお姉さんとは違うけれど少しは、えとわちゃんのためになったかもね。」
と母が話してくれました。
 私が生まれたとき、姉は8才でした。姉は、9才になる半年前からピアノの発表会の練習をしていたそうです。私は、赤ちゃんだったので、姉と母との練習の様子はわかりませんが、母は、
「お姉ちゃんは、ピアノの練習が嫌いで、逃げ腰だったのよ。つきっきりで教えて大変だったわ。」
と思い出しながら言いました。私は、姉のピアノの練習を聞きながら育ったんだなと思いました。姉の発表会のときは、文化会館の階段を上がり下りしている私がビデオに映っていました。1才の私は、まだ、ピアノに興味を持っていなかったと思いました。
 私は、3才からピアノを習い始めました。5才には、4年に1度のピアノの発表会(私の教わっている先生が主催する発表会)がありました。母の父は、姉と私のピアノの発表会を楽しみにしていたそうです。母が、仕事から帰ってくると、母と一緒に私は、毎日30分から1時間、休まずピアノの練習に励みました。5才で、「ロンディーノ」という曲を披露することができました。祖父はピアノの発表会の8カ月前に亡くなりました。祖父に聴かせることはできなかったけれど、きっと天国で聴いてくれていたと思います。
 一人暮らしになった祖母が、発表会の演奏を聴いて、
「えとわちゃんやお姉ちゃんはあんなにピアノを上手に弾けるようになったんだね。もっと上手になるように、新しいピアノをプレゼントするよ。」
と言って、私と姉のピアノを祖母の家に持って行ってしまいました。その代わり新しいぴっかぴかのピアノがきました。実は、祖母の家に持って行ったピアノは、母が弾いていた30年も前の古い祖母の家にあったピアノだったのです。そのピアノがまたもとの場所に戻って行ったのでした。祖母は、
「えとわちゃんが、ばあちゃんの家に来たとき、ピアノを弾いてくれるとうれしい。」
と言いました。私は、祖母の家に遊びに行ったときは、必ずその古いピアノを弾きます。母と姉と私がまるでバトンを渡してきたような長い歴史のあるピアノです。祖母の家に私のピアノの弾く音が響きます。祖母はピアノが弾けないけれど、
「ピアノの音はいいなあ。」
とうっとりしています。仏壇の祖父の写真も微笑んでくれているように思います。
 今私の家には、新しいピアノがあります。このピアノとは4年の付き合いになります。姉は、ピアノのおけいこをやめてしまい、新しいピアノとの付き合いはほとんどありません。私は、毎日練習を欠かさず行っています。2度目のピアノの発表会では、「ソナチネ」を披露することができました。しかられるときもあるけれど、なかなかできなくて自分で手をたたくこともあるけれど、ピアノのおけいこはやめません。きっと私は、ピアノが好きだからだと思います。3度目の発表会は13才のときです。モーツアルトの曲が弾けたらいいなと思っています。ピアノは、私にとってなくてはならない大切なものです。
 今日も私は、新しいピアノで、ヘッドホンをして練習をしています。

   講評   sugi

 えとわさんは、どんなことも毎日コツコツ長く続けるのをモットーとしているのだね。これはすばらしいことだよ。そのおかげで、英検、漢検なども、次々と難しい級に合格できたね。
 ピアノはえとわさんにとって、特別大切なものなのだね。赤ちゃんのときにピアノの音を聞いて育ったこと、お母さんが熱心に練習を見てくれたこと、おじいちゃんやおばあちゃんが応援してくれることなど、まわりの環境もえとわさんを後押ししてくれていることが、この作文からよくわかったよ。一つ一つの話を、くわしくていねいに書いたところがいいね。
 おばあちゃんが贈ってくれた新しいピアノは、一生の宝物になりそうだね。どんなすばらしい楽器も、演奏する人がいなかったら、ただの置き物になってしまう。楽器と演奏者が一体になって、はじめてすばらしい音楽を奏でることができるのだから、ピアノのほうも、「これからも、一緒にいい音楽を作ろうね。」と言っているかもしれないよ。
 モーツァルトの話から始まって、結びにもモーツァルトを登場させたところは、おもしろい工夫だね。こういう工夫をすると、全体がひきしまる感じになるね。題名にもある「大切なもの」という言葉を、忘れずに最後に入れたところもいい!
 進級テストはもちろん合格です。おめでとう!

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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