低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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言葉を味方につけるには 紫式部
「手を上げよう」「泳いでみせる」と思う意思の力で行動できているわけではない。言葉と経験が結びついて行動が起こる。また、「失敗するかも」と思うと失敗した過去の経験と結び付いて、本当に失敗してしまう例もある。私たちは絶えず自己暗示によって行動している。
〈こうせい〉〈複数の意見一〉言葉によって勇気づけられたり、何かができるようになったりしたことはたくさんある。〈だいざい〉〈体験実例〉私が小学校4年生の時。「逆上がりをクラス全員ができるようにする」という無謀ともいえる計画が担任の先生の頭の中で進行していたのだ。クラスには運動のできる人、できない人、やる気のない人、いろいろいる。しかし、その担任はやってのけた。たった6ヶ月で。そこには技術うんぬん以前に、確実に言葉の力があった。担任はできそうでできない人に、「目を閉じて自分のできたときのイメージを頭の中に思い描いて・・・」とか、「オリンピックの器械体操の選手のように・・・」とか体が上がるイメージを持ちやすいように工夫をした喋りで成功へ導いた。このように言葉が行動にプラスに働く時もある。
〈こうせい〉〈複数の意見二〉一方で言葉によって、傷ついたり、落ち込んだりと言葉がマイナスに働くこともある。昔話に「〜してはいけない。」という表現が出てくる。これもまた言葉がマイナスに働いたひとつの例とも言える。「〜してはいけない」といわれた昔話の主人公は必ず禁止された事をしてしまって不幸な結末になることが多い。『浦島太郎』では玉手箱をあけるし『鶴の恩返し』では部屋の中をのぞいてしまう。人間「〜してはいけない」なんていわれたら、いけないとわかっていても誘惑に負けてついやってしまうのではないだろうか。
〈しゅだい〉〈総合化の主題〉このように、言葉がプラスに働くこともあれば、マイナスに働くこともある、言葉にはものごとを左右する力がある。しかし、言葉自体に力があるわけではない。できる、できるといくら暗示をかるだけでは何もできない。〈ひょうげん〉〈ユーモア表現・名言の引用〉「短所をなくすいちばんの方法は、今ある長所を伸ばすことである」という名言があるように、成功を実感できるような体験を重ねていくことが自信につながり、プラスに働く言葉を自分の味方していける。そうすればマイナスの言葉に囚われなくなるなるだろう。
講評 kira
紫式部さん、こんにちは。いい作品です。言葉が大好きな人の書いたものなんだと感じます。私たち日本人は、文化として「言霊(ことだま)」というものを信じてきました。言葉には、力がある。生きているというものです。太古は、天皇といった身分の高い人の発した言葉から地名が付けられたりしました。出雲もそうですよね。
そういった伝承はさておき、身近にも言葉の力は見られます。よいほうに働けば、人を成長させることができます。クラス全員逆上がりには、先生の熱意ある言葉が必須だったね。励ましの言葉は、どれも心に沁みて、そこで育ちます。
反対にマイナスに働くと悲惨です。いじめの問題は、言葉の暴力をあからさまにしました。また、戦争中に「お国のため」と言い続けられた恐ろしさも言葉によるものですよね。そういったことを昔話は見るなのタブーで戒めているのでしょう。
言葉を信用しすぎたり、言うだけの人間になっては困りものです。しかし、紫さんのいうように言葉を味方につけたなら、すばらしい生き方ができそうです。
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