低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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じっくり考えて… 怪盗ピエナ
物事の全体像がつかめるようになるまでには時間がかかる。それまでの蓄積を大切にするべきである。
そのためには、第一の方法として、なにかに取り組んだら難しくてもすぐに投げ出さずにしばらく我慢して続けてみることだ。わたしはとても負けず嫌いである。特に、得意な数学に関しては、何が何でも自力で解く、解けなくても答えを見て、絶対理解するという信念がある。なので、わたしは、高校生になって難しい問題が増えたため、人より時間がかかるので、テスト期間より前から数学を手につけている。よく、友達にも〝宿題が終わらなかったから、答え写してきた〟という人がいるが、わたしには信じがたいことである。(笑)中学生の時のテスト週間ことである。わたしは、数学のワークをやっていた。その問題の中に、わたしの大の苦手な時計の問題があった。やはり、全く解けず、一時間が経過…。答えを見ても意味がわからず二時間経…。そして…親に八つ当たりをして、二時間半経過…。(笑)という具合に一問になんと二時間半もかけてしまった。親に
「もう次の問題をしなよ。」
と何度も言われ、しぶしぶあきらめて後日先生に聞いた覚えがある。
高校生になってからも、毎週出される週末課題に悪戦苦闘しながら、じっくり時間をかけている。高校生になってよくわかったのだが、時間をかけてよく考えながら解くと、もしわからなかった問題でも、答えを見たりして理解できたときの喜びは大きい。また、次に同じ問題を解いたら、解けるようになっていることが多い。
第二の方法としては、即効性を求める現代のあわただしい社会の風潮を改めることだ。日本の歴史をみると、昔からの技能の伝承は、〝床磨き三年、うさぎ跳び五年〟というように、長い時間をかけて技を盗むという教え方がされてきたことがわかる。素振りをしたからって急に打てるようになるわけでもなく、腹筋を三十回やったからといって、その日にやせるわけでもない。毎日続けるからこそ意味があるのだ。このことを中学の引退の時に実感し、毎日続けて良かったと感じることが出来た。
確かに、できるだけ短い時間で全体の理解まで進める工夫は必要だ。しかし、わたしたちは、物事の理解にはある程度の時間が必要だということをもっと自覚して取り組むべきではないだろうか。〝日頃の努力の積み重ねが、ここぞという大一番に発揮されるのだ〟という名言があるように、何事もじっくり考えながら行動していきたいものだ。
講評 mako
体験実例がいいね。説得力もあり読みやすい作文です。
ピエナさんは、納得するまでじっくり考えることができる人なのね。それは最強の武器です。自分で考えたことは、かんたんに手に入れた情報より忘れにくいよね。わたしは学生のころ、しばしば数学の問題をずっと考え続けている夢を見て、朝からどっと疲れることがありました。数学は苦手ですんなり解けたためしがなかったので……。
どんなことでも時間を節約することがいいことのように思いがちですが、節約してもいい時間なんてそれほどないものなのかもしれません。回り道や無駄足もそれなりに必要な時間だったのではないかと思うことのほうが多い気がします。気休めなのかもしれませんが……。
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