創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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自分らしく すいーとぽてと
最近わが国では、あらゆる所で「国際化」の必要が唱えられている。欧米人の大半は、欧米世界は現実において既に「国際化」されているから、いまさらそういう言葉を必要とはしていない、と無意識のうちにうぬぼれている。そして日本人が「国際化」の必要をかくも熱心に唱えるのは、日本人自身が今なお自分を閉ざされた特殊な民族と意識し、それを克服しなければならない欠点と判断しているからだろう。日本が特殊だというなら、欧米もまたキリスト教の神の観念に呪縛された一個の特殊である。地球上に特殊も普遍もない。われわれは単に生きる必要から、外国の言い分に耳を傾けるにすぎない。私は、他の人ではなく自分自身を基準にできる生き方をしたい。
そのための第一の方法として、自分のことは自分で決めることだ。私が入部している部活動では、ミーティングをよく行うが、その際多数決で物事を決めることが多い。どの意見に決まっても結果があまり変わらない時や、どの意見もいい案だと思った場合は、一番多く手が挙がったものに挙げてしまう。ほとんどの人が自分の意見をしっかり持っているので、どんどん手を挙げて発言する。その中には勿論いい意見も沢山あるのだが、その為に話がなかなか進まずに長引いてしまうことが多い。だから進行を速くするためにもたくさん挙手されている意見に自分も手を挙げてしまおうという気持ちも少しあった。しかしそれでは自分の意見を言えずにもやもやしたままになることや、後になって後悔してしまうことが、最近になって出てくるようになった。また、私は今までミーティングをほとんど傍聴しているだけの状態だったので、意見を言おうと何度も思った。初めは自分の意見が皆によって否定されるのが怖かった。しかし一度発言してみてから、発言する事は怖いことではないことだと気付き、意見を言えるようになった。私は、自分の考えが皆と違っても、自分はほかの誰とも違うのであるから、それを無理やり周りに合わせなくてもいいと思った。
そのための方法として第二に、その国独自の文化や伝統を見つめなおすことだ。奈良時代から平安時代初期までは、日本は唐の文化を盛んに受け入れていた。しかしその後日本独自の文化、国風文化が生まれた。この文化は、唐の文化を日本の生活に合うように改善したものだ。その時代にひらがなや和歌、大和絵などができた。他国の文化を受け入れてばかりでは、日本が日本でなくなってしまう。せっかく自分の国にも文化があるのだから、他国の文化を受け入れつつも自国の伝統を忘れてはいけないと思う。
確かに、周囲と自分との関わりを図ることも大切だ。しかし、「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない。」という名言がある。このように、私は自分自身の価値観を大切にして生きていきたい。
講評 kira
すいーとぽてとちゃん、こんにちは。自分を確認する場合、いちばん手っ取り早いのは、誰かと比べることです。都合よく、日本の教育はテストなどで比較ランク付けすることを押し付けてくれますから、否が応でも比べてしまいます。そして、気になるのは、自分の劣っているところ、足りないところですよね。なんとか相手に合わせてそれがいちばんの安心になってしまうのです。
しかし、それでは自分らしさがどんどん失われていきますね。議論する文化が、日本にも根付くといいですね。私たちがよく使う多数決は、議論を尽くした後にこそ生きるものです。勇気を出せたすいーとぽてとちゃんは偉いです。
日本の文化について、自信を持って語れる人が少ないと思います。すいーとぽてとちゃんの言うように、中国の影響を受けたあとにも独自の国風を生み出した、日本の創造力に誇りを持ちたいですね。
自分を磨くために、自分に自信を持って、自分の価値観で考えることが大切なんだね。
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