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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   失敗するということを   うさぴょん

 何をするにしろ、どうしたら失敗するか、ということを知っていて失敗するということはめったにありません。どういうわけか失敗してしまいます。前よりもひどく失敗することもあります。これは、「失敗」ということばをきっかけに、以前に失敗したときの脳のはたらきが進行して失敗するのです。「失敗は成功の母」といわれるように、失敗を重ねることによって、次第に成功に近づいてゆくのが脳の自然のはたらきです、ところが、失敗を恐れると、脳も人間も発展しません。従って、「失敗」ということばのために、以前以上に失敗するというのは、ことばを持っている人間の特徴ともいえます、こういう現象を自己暗示といいますが、「手を上げよう」と思って手が上げられる現象と、よく似ていることに気づくでしょう。つまり、自己暗示は特別に不思議な現象ではなく、わたしたちはたえず自己暗示によって行動しているともいえるのです。
 日本古来の考え方に「言霊」がある。言葉には力が宿る、そう考えることだ。だから
「次も失敗してしまうんだろうな」
と言ってしまえば、失敗してしまうことが多いのだ。言ったり思い浮かべたりするとその通りになってしまう。これは脳にそのようなはたらきがあるからだ。そうなってしまわないために
「できる、絶対にできる」
こうポジティブに考えることが必要だ。考えることも必要だがそれに伴う経験もなくてはならない。では、初めてやるとき、経験のないまっさらな状態から始めるときはどうすればいいのだろうか。そういうときはイメージトレーニングをするといい、とわたしは体育の先生から聞いたことがある。
 授業で背面跳びをすることになったときだ。
「初めての人もいるかもしれない。だけど、これは一年のときにやったベリーロールより簡単だからな、絶対にできる。できないやつはよっぽど下手な奴だ。今、俺が跳んだのを、ビデオで見たのを、自分におきかえてイメージしてみろ。円を描いて助走、腰をあげてバーの向こう側へいく。それだけだ、よく思い浮かべてみろ。浮かばない奴にはできない。」
誰にでも出来ることを強調した上で、想像してみろと言ったのだ。わたしも思い浮かべてみた。頭の中で描き足しながら跳んでいると少し上達したように思った。<複数の意見一>
 けれども逆に「できる」と思いこんでいても成功するわけではない。自分の力を過信していることがあるからだ。ある人が背面跳びを初めてやって成功させたとする。そうして、二回目も楽に跳べるだろうとタカをくくっていたら力を押し殺すことが出来ずにマットの外に落ちて大けがをしてしまった、なんてことがあるかもしれない。昔話でいうと「北風と太陽」があげられる。旅人のコートを脱がせた方が勝ちという勝負を北風と太陽が行っていたのだが、北風は絶対に自分が勝つだろうと思って、考えなしに風を吹かせてしまった。初めからイメージしてみれば分かるはずだったのに、だ。<昔話実例><複数の意見二>
 失敗する、と思ってしまっても、成功すると過信しすぎてもだめなのである。「未来を予測する最も確実な方法は、未来を創造することである」という名言があるが、「創造」は「想像」とも言えるかもしれない。失敗してしまった経験を思い出すのではなく、成功した経験を過信するのでもなく、常に先をイメージしてから経験を生かすことが大切だ。<名言の引用><総合化の主題>

   講評   nara

 私たち日本人には、どうも減点主義が身に染みているようで、「失敗したらどうしよう。」「失敗しないようにしよう。」という思いがいろいろな場面で浮かび上がってくる。もちろん、謙虚さや事前の危機回避は必要だけれど、必要以上に失敗を恐れ、その恐れが失敗の可能性を高めてしまうことも多いのかもしれないね。
 第一意見は体験実例を交えて、うまくまとめてある。スポーツ関連の場では、イメージトレーニングの有効性がよく説かれているね。ここを広げて、テストや商談のようにスポーツ以外の場面でも、同様のことが言えるのではないかと考察してみても、おもしろいと思うよ。
 第二意見は、昔話を引用したのだね。北風は自分の特性を理解していなかったということになりそうだ。これを人間に当てはめると、過大評価も過小評価も、自らの持てるものをしっかり把握できていないということになりそうだ。いいイメージであれ、悪いイメージであれ、そのイメージを喚起する元となる自分自身の把握が的外れだと、方向性を間違ってしまうね。
 イメージ、つまり想像であれば有効に働くことがあっても、妄想であれば話は別。この点をまとめでもっと強調してもよかったかな。進級テストは合格。

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