国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言葉と心   青藍

 確かに、言葉は行動への大きなプラスになる面がある。
 卓球の試合で勝つためには、応援が大きく関わってくる。仲間が良いプレーをしたら、「ナイスファイト!」「どんどんリードだよ!」「ナイスコース!」と大きな声で応援し、ミスをしてしまったら「ドンマイ!」「気にしないよー。」と励ます。また、それを自分自身に言い聞かせるように声を出すことで、気持ちを高めていくことができる。愛ちゃんこと福原愛選手が、得点をしたときに「サァ!」と叫ぶのは、多くの人が知っているだろう。気持ちを高め、プラスにしていくことで、自分の実力、もしくはそれ以上の力が突然発揮できることが実際にあるのだ。愛ちゃんが、自分よりも世界ランクが上の選手を打ち負かしてしまうことも少なくない。プロは、いつも多くの人から注目され、相当なプレッシャーがかかるはずである。しかし、それをはじき返すプラスの気持ちを持って試合に臨めるのは、積み重ねてきた経験があるからこそである。
実際私も、プラスの言葉によって格上の選手に勝ったことがある。もし、自分の心の中に少しでもマイナスの言葉があったら、決して勝つことはできなかっただろう。
 しかし、言葉が行動へマイナスの影響をおよぼすことは決して少なくない。
 本来勝てるような相手でも、試合前から「負けたらどうしよう。」と思っていたら、すばらしいテクニックを持っていても宝の持ち腐れである。先日、卓球の元世界チャンピオンの方の講習会に参加させていただいたとき、「プロは試合の前の日から、プラスの方向へ心をつくり始める。」とおっしゃっていた。もし、そのような準備をせず、弱気なままで試合に臨んだらどうだろう。勝利の確率はかなり下がるはずである。
小学生の頃のコーチは、「負ける、と思った瞬間からもう負けだ。」と私に言い聞かせてくれた。昔の私は、いつもマイナス思考になりがちだったのだ。常にプラスに考える、というのは想像以上に難しい。言葉が持つマイナスの面は、打ち消すことが困難なのである。
 確かに、言葉には人の心をプラスにも、マイナスにも動かす大きな力がある。しかし、最も大切なのは言葉自体ではなくて、言葉を自分にとってプラスの方向に導いていけるだけの経験や体験をしていくことではないだろうか。「勝負で勝つためには、苦手をなくすことよりも、得意技を持つことである。」という名言があるように、無理にマイナスをなくすよりも、プラスへ向かうことができる成功体験を確実に積み重ねていくことが、最も重要なのである。

   講評   hamura

 とてもよく書けました。内容も感動的です。青藍さんの実体験に基づいているので、力強く読み手に響いてくるのでしょう。
 実例がうまく入りました。愛ちゃんや、自分の話などを両方バランスよく入れています。愛ちゃんのような「社会実例」は客観的な意見として説得力があります。自分やコーチの話などは、真に迫っていて気持ちが良く伝わってきます。両方が入ると効果が抜群ですね。そして、「常にプラスに・・難しい」という結果が導き出されて、意見をより上の段階に進める準備ができています。この辺りの展開もとても上手です。
 一番すばらしいのは、大きくまとめ直した部分です。今回の作文のように、プラスもマイナスも同じだけあってどちらかに決めがたい時は、一つ上の次元でまとめる、というのは、確かに使いやすい形です。ただ、では何をもって上の次元とするかが、難しい。言葉上の技に陥りやすいです。でも、青藍さんの「体験の重要性」に至る意見は、その前の段落で述べた実例があるからこそ、たいへん実のある結論となっています。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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