創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日44 今日1163 合計1207
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   「経験」と「結果」   えうや

 私たちが何かをしようとするには、実際にその行動を経験したことがなければいけない。一度失敗してしまうと、次に同じことをするときに「また、失敗するかもしれない」と考えてしまう。そうすると、どういうわけか失敗をしてしまうのだ。これは、「失敗」の経験をきっかけに、以前の脳の働きが進行して失敗するのだ。「失敗は成功の母」といわれるように、失敗を重ねていき、次第に成功に近づいていくのは脳の自然な働きだ。ところが失敗を恐れると何も進歩しない。成功した経験がないと、脳は「成功」へ向かっていかない。以前の成功の経験があれば、脳がひとりでに進行し、成功を重ねていけるのだ。
 確かに、言葉が行動によい影響を与えることもある。僕はサッカーを始めてからもう何年もたっていて、やっとサッカーのいろいろな言葉が分かってきた。僕の体験では、「マノン」というサッカー用語がわからなかったときがある。これは、「敵が後ろから来ているよ」という意味だ。初めて聞いたのは六年生の夏ごろだったと思うが、練習試合の途中で、監督が突然「マノン!!マノンだ!!」と叫んだ。僕は全く意味がわからず、後ろから来た敵にボールを取られてしまった。とても悔しくて、前の練習でこの言葉を覚えておけば慣れていたはずだし、ボールも取られなかっただろう、と思った。練習で「経験」して、試合でその成果が発揮され、「成功」することができたはずだ。この試合のあとに監督はみんなの前でこの言葉を説明したが、次の日にはみんな忘れてしまっていた(笑)。
 しかし、言葉が行動にブレーキをかけてしまうときもある。昔話の、『浦島太郎』では、浦島太郎は乙姫様に玉手箱をもらい、「あけてはいけない」といわれた。浦島太郎は陸に上がって、周りを見たら景色が全く変わっていた。僕だったらこの時点であせってしまい、玉手箱など存在自体を忘れてしまうだろう。玉手箱をもらうときに乙姫様が「この箱を開けると、今までの時間が全て戻ってきてしまい、めちゃくちゃシワが増えるわよ・・・。」と言ってくれていれば、若さを保ちたい浦島太郎は開けなかっただろうと予想できる(笑)。何か行動を起こす前に、悪い結果を知ってしまったり予想してしまったりしたら、慎重になり、またはすること自体をやめてしまうこともあるだろう。
 確かに言葉には、自分の行動に大きな影響を与える力がある。しかし一番大事なことは、その言葉を実感できるような体験を積んでいくことではないかと思う。結局は「言葉を使う」ためにも、言葉を使った経験がなくてはいけないのだ。言葉を使う経験をすればするほど、その力を使いこなせるようになるのだと思う。「短所をなくす一番よい方法は、今ある長所を伸ばすことである」という言葉がある。言葉の力の、よい面を活用していけば、自然によくない面が消滅していくのだと思う。

   講評   tama

 言葉と行動の結びつきについて理解したことを、実例をもとにしっかりとした文章で書くことができました。最近の健くんの作文は、文のリズムがとてもよくなってきています。「言葉」を使う経験を重ね、「使いこなせる」ようになってきたからだと言えそうですね。

【複数の意見一・二、実例】 言葉が行動に良い影響を与える場合、逆にブレーキをかける場合の両面から考えることができました。試合のときに、いきなり知らないサッカー用語が出てきて戸惑ったという体験は、まさにぴったりの実例です。(監督は先に説明しておくべきでしたね(笑)。)
 行動に対してブレーキをかける言葉の必要性も、【昔話の実例】をうまく引用して書くことができました。(こちらも先に説明するべきですよね。)

【総合化の主題、名言の引用】 体験を積むことで、言葉と行動がいかに強く結びついているかを実感することができるでしょう。まとめ方がとてもいいですね。言葉の持つ力をプラスに活用するべきであると、名言を使って説明したところもうまいですよ。しっかりとした意見文です。

※ 進級テストは合格です。おめでとう。\(^o^)/


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)