国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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自分と周り NORI
宇宙飛行士は、宇宙で共通の体験をしているように思われる。アポロ九号の乗組員だったラッセル・シュワイカートは、宇宙空間で仕事をしているとき、その仕事をさつえいするための機械が故障したため、数分間何もしない時間を持った。そのときに地球を見て、シュワイカートは「自分は『私』ではなく、地球の全生命の過去と未来を含めた『我々』なのだ」という意識を持った。この『私』という個体意識から『我々』という地球意識への脱皮は、今この地球に住むすべての人々に求められている。
自分の利益を考えることは、もちろん大切だ。例えば、野球やサッカー、テニス等のスポーツでも自分の利益つまり自分の勝利を強く望むから力をつけるのである。私は、中学のテニス部の中学校生活最後の試合で、「何がなんでも絶対に優勝するぞ!」と言う気持ちで日頃の練習や当日の試合に望んだら実際は優勝とまではいきませんでしたが、四位に入賞することが出来ました。この時のように世界を自分中心に考えて、さらに自分の利益を求めるという個体意識を持つことは十分に必要だ。
しかし、全体の利益を考えることも必要だ。昔話の「桃太郎」でも桃太郎が一人で鬼退治に行こうとしたのは「鬼を倒して鬼の財宝をたんまりいただこう」なんていう桃太郎本人だけの利益のためではなく、「村を助けよう」という村全体の利益を考えた結果、桃太郎は鬼退治に行ったのだろう。しかも、桃太郎だけでなく犬やキジや猿も、自分の利益のことだけしか考えないような性格だったら、たったキビ団子一つだけで、生死に関わる危険を侵してまで、はるばる鬼が島まで行こうとは思わないだろう。
確かに自分の利益を考えることも全体の利益を考えることも大切だ。しかし、いちばん大切なことは、「自分だけ良ければいい」という考えを持つのでもなく、周りのことだけを考えて「自分はどうなってもいい」という考えを持つのでもなく、自分の利益の追求が他の人々に利益に結びつくような社会を作ることだ。
講評 nane
第一段落は、要約でなく、状況実例で書いてもいいよ。今回の宇宙飛行市の場合は書きにくいけどね。
第二段落、テニス部の試合の例は具体的。途中で敬体になっていた。^^;
第三段落、桃太郎とキビ団子の話は、わかりやすく書けた。この昔話実例は、今回で終わりだけど、これからいろいろな文章で使えるはず。昔話に限らず、みんなのよく知っている物語を、少し違う視点で引用するというコツを覚えておこう。
第四段落の総合化は、これかも使える。自分のためということとみんなのためということは、対立する場面ももちろんあるけど、本当は支えあっていくものなのだろうね。たぶん、そういう条件を支える社会を作ることが人間の目標なのだろう。
力作。
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