国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   はい、いいえ   うさぴょん

 日本語の返答では、否定が「質問」の方に向けられているために、微妙な心理がからんできます。きっぱり否定したりすると、「いいえ」の事実の否定をとびこえて、相手の考え方や感じ方の批判にまで及ばないとも限りません。そこで「いいえ」は自然に控えめになります。その控えめな態度によって、否定が事実だけに限定されることを、無意識のうちに示唆しているといえましょう。だからわたくしたちには、日ごろ「いいえ」をやや控えめに言う習慣が身についているのでしょう。
 日本人は否定の類の語を忌んでいるのではなかろうか。例えば何かを断るとき、大体の人が「ごめん」だとか「申し訳ないけれど」などといった自らの謝罪からはじまる。そして
「その日は●●と先約があるから遊べない」
と断言したりせずに
「その日はちょっと・・・・・・」
とお茶を濁す。否定する言葉を言わずに、雰囲気で悟ってもらうのだ。自分が伝えたいのは「その日は遊べないのだ」ということなのだから、他の情報を与える必要がない、あるいは与えて余計なことを引き起こす必要はない、と考えているせいでもあるのだろう。
また、大勢の前でもそう言う言葉を控えるようにしていると思う。例えば、反対意見があったとしても
「●●さんと違ってわたしはこう思います。」
というように、反対するとは言わない。
 これに対して欧米人の考え方は違う。きちんと答えなければ問うた者にも失礼である、といった考えを持っているそうだ。だから、質問にもはっきりと明確に答えを出す。
 わたしはただ日本人の今の状態ではだめだから、欧米流になれと言っているわけではない。この国にはここ独自のコミュニケーションがあるのだからそれを尊重すればいいと思う。けれども「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」という名言があるように、時と場合にあわせてはっきりとものを言うことが必要だと思う。そして、最も重要なのは、その「必要なとき」を見極めることである。

   講評   nara

 日本人がなぜ「いいえ」を控えめに言うのか、これは自分自身を振り返ればいいので、考えもまとめやすかったようだ。語らずに伝えるというのが日本人的な表現であることは、他の長文でもやったよ。ニシキギ(小5相当)7月2週「そこをなんとか」を再読してみるといい。この長文を覚えていたら、【題材】の長文実例にも使えたかな。欧米人の考え方は、欧米人との接触もまだ経験は少ないだろうから、他の人の意見を参考にしなければならない。その書きにくさはあるだろうけれど、この作文では、日本人の分析に比べ、ボリュームが少なくバランスが悪いと思うよ。具体例が加わるといいね。
 総合化で引用した名言はピッタリだ。「この国にはここ独自のコミュニケーションが」あったのはもちろんだけれど、それがずっと同じ状態であるわけではないものね。日本と外国との交流も増えたし、同じ日本国内でも社会や価値観の変化が急激に起こり、今まで通用してきたやり方がうまくいかないことも増えただろう。「必要なとき」を見極めるために必要なこととは何か? どうすれば見極められるのか? ここが提示できると、なおよかったと思うよ。
 昔話や物語で、何かをずばりと言うというシーンがあるものが見つかるといいね。ただ、その場面があっても、作文の主題に合うよう、解釈をアレンジして引用する必要はあるだろうな。
 ・はだかの王様に「王様ははだかだ!」とはっきり言った子供
 ・「一番美しいのは、女王様ではなく白雪姫」とはっきり言った鏡
こういうものを使ってみてはどうかな。
 総合化はまとめの段落に入っているので、項目チェックを忘れずに。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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