国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   幸福の選び方   クララ

 宇宙飛行士たちは、宇宙においてみんな共通の体験をしているそうだ。それは、宇宙で「私」という個体意識が取り払われるような体験である。地球から飛び立ち、宇宙から自分達の星「地球」を見ると、地球に国境がない、ということに驚かされるそうである。地球では、人間は、それぞれ個人の民族、文化、宗教の対立によって互いに争い、憎み合っている。人間は地球に線を引き、国境で地球を区切っている。そんな地球を、宇宙から見たとき、線で区切られていない、大きな一体感を感じるのである。人間は今まで、互いに争うことによって、進歩してきた。しかし、これからは、宇宙から見た地球のように、地球、そしてそこに住む私達人間が一体となり、協調することによって、進歩していくべきではないだろうか。
 確かに,個人の幸福や利益を大切にする事は必要だろう。例えば、私は本がとても好きだ。一度読み出すと本の世界の中にどっぷりとつかってしまい、周りで何が起こっていようとも、気にしない。というか、気にならない。だから、読んでいる途中で、声をかけられたりすると、凄く嫌な気分になる。(もっとも、集中していて気づかないことも少なくないが。)私自身の集中力がきれるまで,もしくは,自分で抜け出すまでは、ずっと本の中だ。私にとって、やはり本の世界で過ごすことはとても幸福だ。情景がはっきりと見えてきたり,私自身が物語の主人公だったりと様々な体験ができる。だからできることなら話しかけてほしくない。本に集中していたいし,できるだけその読んでいる本の世界のストーリーの展開を楽しみたい。こういうとき,個人の幸福を尊重してくれたらなと思う。
 しかし、他人や全体の、幸福や利益を大切にすることも必要だ。個人の幸福を尊重するということは、悪く言ってしまえば、個人のわがままを他人が支える、ということになってしまう。戦争なんかはそれのいい例だ。戦争は、ある一部の人には利益があるのだろうが、その一部の人ではない、いわゆる一般市民にとっては、いい迷惑以外の何物でもないだろう。日本などは、第二次世界大戦のとき、原爆や空襲で、戦争に巻き込まれたくないと思っている(?)善良な一般市民を、大勢殺してしまった。しかし、シュワイカートのように、宇宙から地球を見れば、そんなこと自体は、目にも入ってこないかもしれない。「何とかしよう」と思うことは、戦争などによる、環境破壊だろう。これは、原因となることをやった人にまで、被害が出る。自業自得で済むならまだいいが、他の人、下手をすれば、地球上の生命全てに被害が出るのだから、それはもう恐縮物である。また、「ブレーメンの音楽隊」では、ロバ、犬、猫、オンドリ力をあわせて泥棒の家を横取りし、そこを住処とするが、力を合わせなければ、そんなことはできなかっただろう。
 確かに、個人の幸福や利益を優先することも、他人や全体の幸福や利益を優先することも、どちらも大切だ。しかし、「自国に対する賞賛が他国に対する軽蔑によって支えられているのであってはならない。」と言う言葉があるように、今求められているのは、地球上の人々の連帯である。そして、自分の利益や幸福がその連帯によって他の人の利益につながっていくような環境に変えていくことである。未来の人々がどんどん世の中を変えていけるように、今の人達が未来の改革のベースを作ることが大切だと思う。

   講評   takeko

またまたとてもよく書けましたね。私も本と、宇宙飛行士の体験談がなぜか大好きなのです。ということで、日本初の女性宇宙飛行士向井千秋さんのご主人が書いた『君についていこう』っていう本もとても好きなんです。あと、『うちゅうひこうしになりたいな』っていう絵本も・・・。バイロン・バートンという人が書いたものです。クリント・イーストウッドが『スペースカウボーイ』という、老人の引退軍団が危機を救うため、再び宇宙船に乗り込むというとてもおもしろい映画を作っているのですが、そこで、若い宇宙飛行士が馬鹿にしてきたら、「おまえもこの本でも読みな」とおかえしに渡すのが、その絵本『うちゅうひこうしになりたいな』でした!「意見A」の実例「だから、読んでいる途中で、声をかけられたりすると、凄く嫌な気分になる。」とても共感できます(笑)。でもまあ、さすがに大人になると中断してすぐ用事はしますが。「意見B」もいいですね。「そんなこと自体は、目にも入ってこないかもしれない」この「そんなこと」とはなにか、もう少しくわしい説明があれば、もっとわかりやすくなります。意見文ではなるべく、「これ、それ、あれ」ということばは使わないほうがいいです。意見文は実例にくらべると理解がむずかしくなるので、かみくだいて書くほうが読者には親切だからです。名言、これはまさにぴったりのものを選びましたね!

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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