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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ひとそれぞれ   いへゆ

 シュワイカートの胸の中に、なにか言葉では言い表すことのできない熱く激しい奔流のようなものが一気に流れ込んできた。彼の心に、地球のすべての生命、そして地球そのものへの深い連帯感が生まれた。「今、ここにいるのは『私』であって『私』でなく、すべての生きとし生ける者としての『我々』なんだ。」このように、『私』という個体意識から『我々』という地球意識への脱皮は、この地球に住むすべての人々に求められている。
 たしかに、全体で連帯することは大切だという意見もある。たとえば、学校の合唱祭のときだ。歌っているのを一人一人で見ると、「この子はよく音をはずす。」とか、「あの子はいつも声が大きすぎる。」など、いろいろダメなところがある。でも、たくさんの人で歌う場合はそんなことはあまり気にしなくなる。一人一人が上手いのなら問題ないけれど、それよりも、みんなで気持ちをあわせて、楽しく歌うほうが大切だと思う。また、環境問題の場合も、一人だけがエアコンの温度を気にしたり、車を使わないようにしたりしても、あまり効果がない。このような地球全体の問題は、地球全体の人々が心がけることによって、改善するのだと思う。このように、一人一人でがんばるよりも、全体で一つになってするほうが良い場合もある。
 しかし、一人一人のちがいを尊重するのも大切という意見もある。たとえば、高校受験のときに、
「あなたはこういうタイプだから、この高校を受けなさい。」
と、勝手にまわりが決めつけるのは良くないと思う。もしかしたら、その子は周りから思われている印象と、内に持っている性格は違うかもしれないからだ。その子の気持ちを聞いてあげ、その子がどのような人間なのかを知り、それを尊重してあげなければいけないと思う。また、「なんで中学生なのにこれくらいできないの。」とか「中学生だからこれで十分。」という言葉を(これは私が中学生だからかもしれないが)よく聞く。しかし、このように、『中学生』という言葉で区別するのは、おかしいと思う。中学生だって、皿洗いが苦手な子は皿洗いが下手だし、いつまでもキャラクターがかいてある給食袋を使うのはいやだ。それぞれ、特技や好みは違う。だから、一人一人の個性を大切にして、いろいろな人と接していくのが大切だと思う。昔話に、『いなかもねずみと町のめずみ』というお話がある。このねずみはお互いの好みがあわなかったという話だ。このように、人にはそれぞれ好みがある。
 たしかに、全体で見ることや、一人一人で見ることは大切だ。しかし、『子供は大人を小さくしたものではなく、それ独自の価値を持っている。』という言葉があるように、それぞれの価値を認め合うことだと思う。

   講評   huzi

 【名言引用】、『子どもは大人を……』にいう、子どもとは人間のこと、大人とは地球のことかなと、考えました。それぞれの価値を認め合うことが、ひとりひとりを大切にし、ひいては全体を大切にすることになるね。違いが相手を疎外したり、違いを認めなかったりするようでは、宇宙から見た地球の景色はきれいに見えないでしょう。
  【複数の意見】、合唱と環境問題を最初の【意見】に同時に示したのが、おもしろいですね。ダメなところばかり指摘したり、1人だけで頑張るのではなく、全体でよくなっていこうとする気持ちが大切なのだという考えが、伝わってきます。
 しかし、違いを尊重することは、場合によっては難しいですね。同じ枠にはめて考えたほうが、子どものしつけはしやすいし、物事がわかりやすく進む場合も。しかしそればかりでは、自分らしい成長や生活や期待できず、夢を失ってしまいますね。
 価値を認め合う。これは、簡単そうで難しい問題です。自分がどのように過ごしてきたかを振り返りつつ、周囲の考えを受け入れる余裕を持たねばなりませんね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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