国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   民主主義と資本主義   まなピー

 今日ほとんどの人々が、民主主義と資本主義は共存していると思っている。しかし、この両者の価値観はまったく異なるのだ。民主主義は極端な平等を肯定しているのに対して、資本主義は極端な不平等を肯定している。基本的価値が異なるにもかかわらず、両者が共存しているのは、社会福祉と教育への公共投資である。民主主義が成し遂げた最も重要なことは、親の所得と、その子どもが教育や技能を習得する能力との関連を断ち切ったことであった。このように民主主義と資本主義は、相互に緊張はあるが、比較的安定したバランスの中で共存することができた。しかし、この二つの対立はこれから悪化していくだろう。
 そのための対策として第一に、行き過ぎている資本主義を是正することだ。例えば、会社の雇用制度で、昔は年功序列・終身雇用制度というものがあった。いや、本当は今でもあるのかもしれないが、薄れてきているのが現状である。一人の人を大切にしないで、目的や能力を見込んで一時期だけ雇ったり、また定年を迎えるまでに簡単にくびにしたりする会社がある。今多くの若者に見られる傾向にフリーターというものがある。いまや耳慣れた言葉であるから一種の職業と勘違いしやすいが、あれはれっきとした正社員ではなくアルバイトの掛け持ちだ。彼らは、一定の会社に就いてないので収入が少ない。これでは、雇う側ばかりが得をしていることになる。雇う側と雇われる側に平等が生まれないのだ。会社の雇用制度を考慮しなおして行き過ぎた資本主義を引き止めるべきだ。
 また第二の対策として民主主義を強化することも挙げられる。今、日本で最高峰の国公立大学といえば東京大学である。もちろん昔から最高峰であったが、昔は地方に住む決して裕福でない家庭の子どもが一生懸命勉強して入っていくような大学であった。ところが今はと言うと、親の年収が高い子どもが一番多いのが東大だそうだ。昔は、日本のための人材育成をおこなうためにあった東大が、いまや東大に行くことが裕福な家庭のステイタスとなっている。これでは、国公立大学の意味があまりない。もう1度、教育の方針を明らかにし、民主主義の原点を探してみるべきである。
 確かに、皆「お金持ちになりたい」と望むのは当たり前だし、そのためには資本主義を推進する気持ちも分かる。また一方で日本国民は全員平等で全員で国を豊かにしていくべきだと考えている。しかし、
「人のつながりは繋がっているようで孤独だ」
というように、これから日本はますます民主主義と資本主義の対立が激しくなっていくだろう。そのために、私達はどう対応していけばいいのか。このどんどん広がる格差をどうとめればよいのか。答えはまだ、見当たらない。

   講評   huzi

 最後の答えが、「答えはまだ、見当たらない」になったのですね。民主主義と資本主義の両立をどうすればいいか、現実にも模索が続きそうです。
  【予測問題の主題】、「この二つの対立はこれから悪化していく」と、述べるだけにとどまったね。何を見て・聞いて、悪化の予測を立てたのか、もうひとことあればいいですね。
  【対策】を、原因から具体的に考えることができました。現代社会で得た知識を、うまく取り入れています。資本主義の行き過ぎが雇用制度を不安定にし、不平等をうむ。また、その不平等は、子どもの教育にも影響を及ぼしていると考え流れよく示すことができました。【対策2】
 さて、原因の追求は、十分なのですが、【対策】の項目にふさわしい対策そのものの内容が薄くなっているのはわかりますか?
・会社の雇用制度を考慮しなおして
・もう1度、教育の方針を明らかにし
この2つの文の中身(アイデア)を練ってみましょう。実行可能かどうかはあまり考えなくてもいいと思います。自分の考えを書ければOKです。
 【自作名言】は、人のつながりで訴えるよりも、民主主義と資本主義がもはや両立しないことを、強調するフレーズにするとよさそうです。

 最後の課題、難問でしたね。しかし、これだけの文章量・知識で、意見を示すことができた点は、大いに評価できます。自信を持って本番に臨んでくださいね。

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