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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   利益から利益へ   えうや

宇宙飛行士たちは、みんな共通の体験をしているらしい。彼らはみな、宇宙で『私』という固体意識がいっきに取り払われるような体験をしている。ある宇宙飛行士の体験がある。彼は宇宙空間で、地上からの交信も途絶え、真空の完全な静寂のなかで、眼下に広がる地球のすべての生命、そして地球そのものへの言い知れぬほどの深い連帯感を感じた。彼が体験した、『私』という固体意識から『我々』という地球意識への脱皮は、今、この地球に住むすべての人々に求められている。
確かに、全体のことよりも、自分の利益を大事にすることもある。例えば、僕はサッカー部に所属しているが、いつも相手ことまで考えてプレーをする選手など、ほとんどいないはずだ。この前の練習試合の体験がある。僕のチームは、大きなグランドで試合をさせてもらった。僕たちのチームは、緊張していた。いつもと同じプレーをするなど、無理といっていいほどの緊張だった。僕たちは、今まで練習してきたことなど忘れて、敵に何度も得点された。前半が終わったときのハーフタイムで、監督は「相手に合わせてプレーするな。自分たちのプレーをしろ。」と言った。この言葉で、相手の動きに流されず、自分たちのプレーをするように心がけた。結果は、惨敗だったが、後半には練習どおりの流れで得点することができた。自分たちのことだけ考えて動くのも、大事だと思う。
しかし、全体の利益を考えて行動することも大事だ。昔話で、「桃太郎」という話がある。この話しでは、桃太郎は村を荒らす鬼を退治に出掛けたのだ。自分の利益のためだけに出掛けたわけではない。途中で出会ったイヌ、キジ、サルも、自分の利益だけ考えていたなら、きび団子をもらっただけで、とても危険だとわかっている鬼退治に出掛けるわけがない。危険なことをするよりは、自分の家(?)で寝ていたほうがいいはずだ。鬼が島にいた鬼は、自分たちのことだけ考えて村の宝を奪っていった。そして、桃太郎たちの攻撃に降参して、自分たちのことだけを考えて宝を返した。宝を返さなければ自分たちがどうなるか分からない。村の人々やはるばるやってきた桃太郎たちのことを考えていたなら、桃太郎を村まで送るだろうし、村ではボランティアとして働いたりするかもしれない(笑)。自分たちのことだけ考えていると、全てが自分に帰ってくるのだ。
確かに、自分の利益を考えることも、全体の利益を考えることも大切だ。しかし、一番大切なことは自分の利益が他の人々の利益に結びつくことだと思う。「私たちの幸せが他の人々の不幸に支えられているのであってはいけない。」という言葉がある。自分の利益を追求し、それによって皆が幸せになれる社会ができることが一番だと思う。

   講評   tama

 誰でも自分がいちばんかわいいものなので、油断をすると「自分さえ良ければ…」という考えになってしまいがちです。自分を大切にすることはもちろん忘れてはいけませんが、やはり社会全体の利益を考える余裕がなければ困ったことになります。個人は社会の一部であるのだという自覚があれば、何をすべきかが自然と見えてくるでしょう。

【複数の意見・実例】 サッカーの試合を例に挙げ、「自分の利益を大事にすることもある」という意見を述べてくれました。確かに試合中は、相手のことを考える余裕などないでしょう。練習についても「チームのため」よりも、まずは「自分の技術を磨くため」にするものですよね。
 「桃太郎」の話をもとに、「全体の利益を考えて行動する」ことについても考えることができました。(ただきび団子欲しさに、わざわざ危険な目に遭いに行ったとは考え難いですね。笑)鬼がボランティアをしている姿を想像して、笑いがこみ上げてきました。さり気ないユーモアを取り入れるあたりは、健くんらしくて好感が持てます。

【総合化の主題・名言の引用】 自分の利益が全体の利益に結びつくことで、皆が幸せになる社会を実現するべきですね。主題を大きくとらえた立派な意見です。名言も有効に使えました。


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