創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   一人一人の話が(感)   ポッター

 一人一人の話が、みなそれぞれに違っているからこそ面白いのだが、その一人一人の違う話を聞いているうちに、「宇宙飛行士たちは、やはりみんな、宇宙で、ある共通の体験をしているな。」と私は確信するようになった。彼らはみな、宇宙で『私』という個体意識が一気に取り払われるような体験をしている。
視界をさえぎるものは一切なく、無重力のため上下左右の感覚もない。自分はまるで生まれたままの素裸で、たった一人でこの宇宙の闇の中に漂っている、そんな気がした。眼下に拡がる地球のすべての生命、そして地球そのものへの言い知れぬほどの深い連帯感が生まれた。
 シュワイカートが宇宙空間で体験した『私』という個体意識から『我々』という地球意識への脱皮は、今、この地球に住むすべての人々に求められている。
 確かに、自分の利益や、自分にとってプラスに繋がる事を考えるのは大切だ。勉強やスポーツでも、相手より上を行きたいという思いがあるから、切磋琢磨していけるのだ。
 私は陸上部に所属していて、種目は短距離を専門としている。陸上競技というものは、リレー以外は全て個人競技である。種目が共通であれば、チームが同じであっても、レースでは敵になることが多い。「友達だから…」というような甘い考えは通用しないのだ。〇、一秒でも自分のタイムを縮めること、指一本でも相手より先にゴールすること、何よりも相手より速くなる事が大切なのだ。
 私にも、部下内で同じ種目をやっている友達がいる。タイムは五分五分で、私が勝てばその子が勝つ事もある。おそらく、勝った回数と負けた回数は同じくらいだろう。今年の区大会ではタイムは同じだったものの、判定で負けてしまい、私が銀、友達が金だった。とても悔しかったが、次は絶対に負けない、勝ってみせると決心した。友達も同じようなことを考えていたのだろう。お互いに「次も頑張ろう!」と言って、メダルで乾杯した。
 相手よりも少しでも自分を良く見せる、それが、「私」を更に成長させていくための、一つの考えではないかと思う。
 しかし、時には全体の利益や得を考えることも大切である。全体の利益は即ち自分の利益にも繋がることで、分けた分だけ持ち分は少なくなるが、何とも気持ち良いものだ。
 私は今年の区大会で、昨年と同じくリレーにも出場した。昨年は惜しくも二位だったので、今年は夏休み中に猛練習をして、万全の状態に仕上げた。タイムは最高が五十一秒台。昨年のベストタイムより七秒近くも縮まったのだ。そして本番当日、ベストは後少しの差で更新できなかったが、見事一位を勝ち取った。その時の喜びと言ったら、言い表せるものではない。個人で優勝したときよりも、何百倍も嬉しかった。夏休み中、朝から夕方まで練習して、夜八時くらいに集まって練習したときもあった。バトンパスで何度も何度も失敗して、先生に怒鳴られて、自分たちでも意見を出し合って、ぶつかり合って…。「雨降って地固まる」まさにこの言葉通り、私たちの団結力、絆は深まり、優勝することができたのだ。この時は本当に、一つの「チーム」として、また一つの「中学」からとして、優勝できたことを誇りに思った。きっと、自分の走りだけを考えていたなら、自分は走って次の人にバトンを渡すだけで良いなんて考えていたなら、ここまで頑張ることはしなかっただろう。チームしての走りを意識したからこそ、チームの優勝を思って走ったからこそ、優勝できて、ここまで嬉しくなれたのだろう。「個人」としてではなく、「全体」「我々」としての利益、得を考えることも大切だ。
 確かに、個人としての利益も、全体としての利益も大切だ。しかし、「自国に対する賞賛が、他国に対する軽蔑によって支えられているのであってはならない」という
名言がある。一番大切なことは、自分の利益が他の人々の利益に繋がるような、自分を含めて大勢の人が笑顔になれるような社会を造ることだと思う。

   講評   inoko

 ポッターさん、こんにちは。宇宙空間から見た地球。漆黒の空間に存在する美しく青い地球を見ると、人生観や価値観が変わってしまうのだそうです。外側から地球を眺めると、広い宇宙の中では、私たち
人間の存在など、ほんとうにちっぽけなものです。そして、日常のあらゆることも、取るに足りないことのように感じるのかもしれません。私たちは、とかく目先のことや自分自信のことだけを考えてしまいます。しかし、広い視野を持って物事を考えると、自分が今何をすべきか。何のために動くべきかが、少しはっきりと見えてくると思います。
☆ 陸上部での個人競技と団体競技の例が、ぴったりですね。一人で得る満足感ももちろんいいものですが、力を合わせて得た満足感というのは、確かに何物にも代え難い良さがありますね。全体の利益を考えて力を出したことではありますが、結果として自分自身にもかなりの利益がもたらされているはずですね。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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