国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   互いの利益を尊重して   青藍

 自分の利益を第一に考えることは大切だ。
私は小学校3年生のときに卓球を始め、今でも中学校の部活動で卓球を続けている。
卓球は一対一の個人競技だ。どんなに辛い状況になっても、一人で最後まで試合をしなければならない。自分の利益、つまり勝利を手にするためには、自分が勝ちたい、と願う気持ちが相手よりも強くなければならない。自分の利益より相手の利益を第一にしてしまった選手が、試合で勝てるはずがないのだ。
自分の利益が大切になるのは個人競技だけではない。卓球のような個人戦なら何人でも大会に参加できるが、団体競技、つまりサッカーや野球、バスケットボールなどはそのようにいかない。試合に出られるメンバーが制限されてしまうため、厳しいレギュラー争いがあるのだ。そのなかで、「○○君は試合に出たいだろうから…。」などと言って相手の利益を優先させることはまず無いだろう。
 しかし、全体の利益を考えることも大切である。
卓球の試合は個人戦であり、コートに立てるのは自分ひとりだけだ。しかし、共に練習に打ち込む部員たち全員で1チームという団体戦でもある。自分のチームメイトが試合をしていたら、大きな声を出して応援する。勝てば共に喜び、負ければ悲しむ。自分の利益だけを考えていたら、仲間の応援をしたり、苦楽を共にすることはできないだろう。
また、マザー・テレサは、その生涯を貧しい人々のために捧げ、自分自身が利益を欲したことなど無かった。朝4時に起床、シスター達と一緒に、路上生活者やごみ捨て場に捨てられた幼児を連れてくるといった生活を続けた。その活動が認められて受賞したノーベル平和賞の賞金も、全額を寄付したのである。受賞後も、それまでと変わらない生活を続け、貧しい人々を救い続けたのである。
マザー・テレサのように、自分の利益を求めず、相手の幸福を願うという思いは、現代人がもっと持つべき心ではないだろうか。「自己中」とよばれる人が増え、電車内や集団行動の中でのマナーの悪さが目立つ。自分さえ良ければいい、という考えはなくしていくべきだ。
 確かに、自分の利益を考えることも全体の利益を考えることも大切である。しかし、「私たちの幸福が、ほかの人びとの幸福に支えられているのであってはならない。」という名言があるように、自分が求める幸福、つまり利益が、相手の幸福につながるような世の中を作ることが最も大切なのだ。

   講評   hamura

 今回はマザーテレサという「社会的実例」が入りました。自分の話と、それを発展させた社会性のある実例、という展開は、意見を進めていく上でとてもよいです。ただ、その例の入れ方が少々唐突です。「また」というのは、前文を受けた接続詞なので、卓球の話から突然飛んでしまうような印象を受けます。この「また」は、「また、全体の利益を優先する別の例として」という意味あいだと思うので、それをはっきりさせるとよいでしょう。とくに接続詞を入れなくても改行(段落をかえる)ことで十分な場合もあります。接続詞は便利なようですが要注意の言葉です。「(改行して)全体の利益を考えて生き抜いたすばらしい人物がいる。マザーテレサだ。彼女は・・」というのは、ちょっとかっこうをつけすぎでしょうか・・?
 卓球で「全体の利益を考える」例として、応援・苦楽を共にする、という話ができました。こういう話は経験者でないと書けません。よくできました。
 まとめの段落では「相手・世の中の幸福」と全体を大きくまとめられています。

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