国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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二度としない朝寝坊 意気陽陽
「ふぁ〜。今何時だろ〜。う〜ん。もう七時か。あれ?八…八時だー!ちこくだー!急げーお母さーん早く朝ご飯の準備して−って、お母さんいなーい!とにかく出発だー。」
僕は小学校に入学してから、ほとんどちこくなどしたことはない。その数少ないちこくの中でもとても鮮明に記憶に残っているのは小学五年生の夏のことだ。
夏休みに入る少し前だったと思うが、そのころ僕は、毎朝の様に母におこられていた。何度も何度も「起きなさい!」と言われているのに、ちっともふとんから出てこないからだ。そして次の日の朝もちっとも反省しずに、同じことをくりかえしていた。そのうち母のいかりが爆発し、ついに
「明日から起きなさいといわれて一度起きなかったらもうほっときます。」
と言ったのだ。母はそんなことを言っても次の日にはおこりながらも起こしてくれる事が何度もあったので、「また言ってる」くらいしか思わずに、左から右へと聞き流していた。しかし今回だけは母も本気だったらしい。僕はこの時のことを、今でも後悔している。
次の日の朝、いつものように母に起こされたが、僕は一度で起きなかった。母は昨日言ったように、本当に僕をほったらかしにして、仕事へと出かけていってしまった。ぼくはそんなことがあったとも知らずにふとんの中ですやすやと眠っていた。
ぼくが目を覚ましたのは、八時だった。ぼくの登校班の集合は七時三十分だったので、妹や同じ班の友達はもう三十分も前に出発してしまっていた。ぼくは初め七時と八時の見間違えだと思っていたのだが、八時だと分かった瞬間パッと飛び起きた。いつもこれくらいパッと飛び起きられたらどんなに良いものかと思った。
家の中を見まわしても誰もいなかったので、本当は焼いて食べるはずのふにゃふにゃのパンを口にくわえて、急いで家を駆け出した。まるでドラえもんに出てくるのびた君のようだった。
それからは、学校までノンストップでっつ走った。自分でも驚くほどの早さだった。こんなに持久力があれば、持久走記録会一位は間違いなしと思えるほどの早さだった。しかし、登校時刻にはギリギリ間に合わなかった。
クラス全員が着席している教室の中にランドセルを背負ってはいるのは、とても勇気の要ることだった。しかし、先生がまだ教室にいなかったので、勇気を出して入る事にした。教室には言った瞬間、静かだった教室が、騒がしくなった。まさに、顔から火が出るかと思うほどだった。いろんな友達に、
「遅刻の意気陽陽が来たー。」
などと言ってバカにされた。とても悔しかったが、なにも言い返せなかった。しかし、先生が来ていなかったのは、不幸中の幸いだった。もし授業が始まっていたら、もっと恥ずかしかったことだろう。
朝寝坊をし、学校に遅刻してしまったことについて書いて、分かった事がある。朝寝坊とは人間にとって、一日の大切なスタートである朝をだいなしにしてしまう、ダメなこ行為だと言うことだ。
この朝寝坊をして遅刻をした話には、実は続きがある。その日学校から帰ると、母にとっても叱られた。そこでぼくは、絶対におきてこられる目覚し時計を買う事にした。店に行ってみると、案外目覚し時計がたくさん売っていたので、少々驚いた。どの目覚し時計も大きな音なので、どれにするかとても迷ったのだが、最終的にベル式の目覚し時計にした。
家で一度鳴らしてみると、音が大きすぎてビックリした。近所迷惑にならないかと母に言われるほどだった。なので安心して眠ることが出来た。
次の日の朝…
「ジリジリジリ!!」
と言うとてつもない音で、ぼくは一瞬にして目覚めることが出来た。この目覚し時計のおかげで、もう二度とこんな言葉は言わなくなった。
「ちこくだー!!」
と。
講評 sugi
「本当は焼いて食べるはずのふにゃふにゃのパン」「こんなに持久力があれば、持久走記録会一位は間違いなし」のくだりには、大笑いしました。絶好調で一年をしめくくることができたね。
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