創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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はっきりと曖昧 紫式部
外国の子供達と日本の子供達がいっしょに課外授業に参加した環境をテーマにしたドキュメント番組を見ていた。生徒達が講師の質問を聞きながら作業を進めていく様子から私は感じ取ったものがあった。日本人は自分の意見をはっきりと示さないということことだ。それに比べ、外国の子供達は自分の疑問に思ったことをすぐに質問したり、意見を言っていた。外国との関わりがますます強くなっている今、日本人には自己の意思を相手にはっきりと伝えることが求められている。
欧米人のように「Yes」「No」をはっきり言うことは大切だ。場合によっては、曖昧な態度をとらず、自分の意思を明確に示さなければいけない。私には自分の考えをはっきりと言って良かったということがある。小学校5年生の時とても仲のいい子がいた。その子とはいつも一緒だった。しかし、いつの間にか自分の世界が狭くなっていた。そのことに気が付いて「少し距離をおこう。」と私のほうからもちかけた。彼女を傷つけたくはないけれど、自分の世界は広げたくて、言うのはためらわれたけど言ってしまったら、一気に世界が開けた気がした。言ってよかったと思っている。その子とは少し気まずくなったけれど、このことで今の自分がいる。
しかし、時にはものごとをはっきりさせないことも必要なのではないか。日本人の意思をはっきりと示さないという特徴が、あたかも短所のように言われる。果たしてそうか? 欧米人は「Yes」「No」をはっきり言う。欧米人と日本人にインタビューをしたら日本人のはっきりしない物言いが目立つ。日本人がはっきりとものを言えないのには、恥ずかしいという以外にも理由があると思う。それは、日本人が相手の気持ちに配慮しているからだ。優しさの現われだと思う。昔話「かぐや姫」では求婚してきた5人の若者にどうしても「結婚はできません。」と言えなかった姫が3人に無理難題な要求を与えあきらめてもらおうとする場面がある。悪く言えば、はっきりと断らずに遠まわしに断ったとも言えるが、ここに傷つかずにあきらめて欲しいという姫の優しさが読み取れる。このように、相手の気持ちに配慮した日本人の感性は大事にすべきだ。
このようにはっきりと言うことが良いこともあるし、はっきりといわないことが良かったりもする。どちらも大切なことである。しかし、本当に大切なのは、「悪いことそのものがあるのではない、時と場合によって悪いことがあるのである」という名言があるように、はっきり言うべきか言わないべきかをしっかり見極めてその場に応じ自分の意思を伝えることだ。
講評 kira
紫式部さん、こんにちは。楽しい冬休みを過ごしてね。
新しい年も、元気にがんばりましょう。
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