低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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哀国心から愛国心へ れもん
英語には「鼻が高い」という褒め言葉が無い。欧米人は自分の鼻の高さなど気にしない。自分たちの鼻が高いという意識も、日本人のように他の人種と鼻の高さを比較するような行為もしないのだ。欧米人にとって、自分たちは世界の中心であり、自国は世界そのものなのだ。そんな自意識、良く言い換えれば誇りに、日本人は流されてきた。文化も言葉も容姿も、全て国際化という名の欧米化を推進してきた。日本人はコンプレックスの塊のような人種だ。今、欧米諸国やアメリカでは、日本の漫画や食事が大ブームとなっている。しかし、その現実もどこか信じられない。日本人は日本に興味がないのだ。「平和ボケ」という言葉が適切か否かは判断しかねるが、戦後、日本は急速な近代化と共に、確かに日本の在るべき姿を失いかけている。私は、自国に誇りを持って生きていきたい。
そのためには第一に、意志を持つことだ。戦後の日本の急速な近代化を支えたのは、日本人の相対的な思考回路にあったといわれている。海外諸国と比較し、自国の劣っている点を重点的に問題視する。しかし、これでは近代化が焦りの結晶のようになってしまう。確かに、日本人の執拗な焦りや劣等感が近代化という進歩をもたらしたのは事実だ。しかし、その犠牲となったものも数知れない。主観的な意思を持たない日本人は、近代化という焦りの波に呑まれて自国に対する誇りまでもを失ってしまった。これは、国家という大規模なものにだけに当てはまる話ではない。大切なのは、自分自身だ。周囲の圧力や概念に押し流されて、自分の望む道を曲げてはいけない。(複数の方法Ⅰ)
第二の方法としては、日本が独自の基準を持っていた時代を見直すことだ。伝記によると、聖徳太子は、『日いづるところの天子、書を日没するところの天子にいたす、つつがなきや云々』という手紙を隋の皇帝に送った。当時の大国である中国に対しても、しっかりと自分の国の存在を主張したのである。他国の文化や他人の意見を受け入れることも大切である。しかし、それを鵜呑みにしては意味が無い。どんな出来事や物事に対しても、他人事ではなく、自己と絡ませて考えることが大切だ。(複数の方法Ⅱ)(伝記)
確かに、周囲と比較することによって、自己を模索し、認識することは大切だ。しかし、自分が考えるとおりに生きなければならない。そうでないと、ついには自分が生きたとおりに考えるようになってしまう。大切なのは、自国や自己への誇りだ。誰のものでも、誰のためでもない自分の人生をいかに自分らしく飾るかだ。だから私は、自分の鼻が低くても(笑)、肌が白くなくても、自分の母国である日本に誇りをもって生きていきたい。(反対意見)(名言)(詩)(生き方)
講評 nane
書き出しがうまいね。問題意識がはっきりしているから、第一段落で焦点が絞られている。
第二段落もよく書けているけど、ここに体験実例をやわらかく入れてもよかったかなあ。その分、同じ説明や意見が繰り返されているところは省略していこう。
第三段落の聖徳太子も、いい実例。ここも、書ければもう一言、この実例に対する自分のコメントを追加してみよう。
▲「主観的な意思を持たない日本人は」→意味不明?
▲それを鵜呑みにしては意味が無い。→「意味がない」はもう一工夫。
結びで、書き出しの「鼻」と結びつけたところはうまい。自分が基準だと思えば、人生楽しいものね。これからも、自分中心でがんばってねー。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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