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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   あっちの豊かさとこっちの豊かさ   クララ

 現代の日本には、物があふれかえっている。食べるものや着るもの、冷暖房などの、生活に必要なもののほかにも、映画や本などの、楽しむためのものもたくさんある。そして、私たち日本人はその中にどっぷりと使って、豊かな生活を送っている。食料やエネルギーを海外から大量に輸入し、テレビやコンピューター、車なども多くの家庭に普及している。そしてそれらは現代の日本で生きる上での必需品になりつつあり、豊かな生活が日本に定着してきたことをあらわしている。水道の蛇口をひねれば当然のように水が出るし、照明器具を使い、夜でも明るい部屋というのが普通だ。
 確かに、生活が豊かというのはよいことだ。衣食住の安定を求めるのは、当然ことであり、幸福に暮らすための最初の条件だからである。たとえば、もし、食べるものがなければどうなるだろう。まず、常に空腹に悩まされることとなり、最悪の場合は、餓死である。また、もし住むところがなければ、誰かのところに泊めてもらうか、運が悪ければ野宿である。そして、着るものがなければ・・・・・・まあ、とりあえず困るだろう。そして、勉強や仕事をしようとしても、先に書いたようなきちんとしたものが無くては始まらない。
 しかし、心の豊かさも大切である。昔話の「笠地蔵」ではおじいさんは笠を、売れ残ったものだけれども、雪をかぶっているお地蔵さんにかけてあげた。おじいさんは笠がぜんぜん売れなくて大変な状況なのに、お地蔵さんにかけてあげられたのはなぜだろうか。それは、おじいさんがとても豊かな心の持ち主だからではないのか。きっとそうである。でなければ、ただでさえ生活が苦しいのに、売り物の笠をお地蔵様にあげるはずがない。しかし、そのおかげで、おじいさんは、心の豊かさだけではなく、物の面での豊かさも手に入れることができたのだ。また、私はたまに、東南アジアなどの、途上国の子供たちの写真を見ることがある。そこの生活は、日本からは想像もつかないようなものである。だから、当然つらそうな顔をしている子もいる。しかし、彼らはそんな中でも満面の笑みを浮かべる。「私は今がすごく楽しいのよ!」とでも言いそうな、笑顔である。そんな顔を日本で見ようとしても、なかなか見られないと思う。それは、たぶん、向こうの子供たちのほうが、心が豊かなのであろう。
 確かに、物の豊かさも心の豊かさもどちらも必要なものだ。しかし、本当に大事なのは、私たちが物の豊かさも心の豊かさも含め、両立させていくことだと思う。『未来には、ひとりでにできる未来と、自分で作る未来との二つがある』という名言があるが、物と心の豊かさを含めた社会は、私たちが作っていかなければならないものだ。日本は、物はとても豊かな国であるが、心の豊かさはまだ足りないと思う。心の豊かさを増やすのは、誰か一人がやることではなく、皆で努力していくものだ。物が進歩していくと共に、私たち人間も内面的な部分で進歩して行ければいいと思う。

   講評   takeko

今回もとてもよく書けましたね!
「第1段落」要約がないので、導入になりますが、これも、たくさんの実例の単語を重ねられて、とてもうまく書けました。はっとしたのが、「水道の蛇口をひねれば当然のように水が出るし、照明器具を使い、夜でも明るい部屋というのが普通だ。」このことに、この「豊かな日本」にいるわさびキティさんがよく気がつきましたね!実は世界でも、水道の水をそのまま飲める国って、少ないのです。私の住んでいたタイでも、料理用の水は買っていました。そうめんとかゆでるとき、かなり面倒!(笑)。それに、停電もよくありました。でも、タイはまだ豊かなほう。電気がない国もたくさんありますよね。
「意見A」「意見B」もいいですね。(「かさじぞう」は私のお気に入りの昔話の一つ)東南アジアの子どもの笑顔がなぜ、輝いているのかは、東南アジアにボランティアにくる人のあいだでも、いつも話されることです。日本の子どもたちは、情報がテレビなどでたくさん入ってくるから、かえって、悲しいニュース、つらい出来事をたくさん知りすぎているからだろうか、などとも言われています。もともと日本人ははずかしがりやで、世界の中ではあまり感情を表に出さないほうですが・・・でも、それだけに「考え深くなる」ということもありますよね。わさびキティさんのいう、「内面的な部分の進歩」はそのとおりですよね。日本は今、「物」と「心」のバランスがうまくとれていないので、総合化の主題にあるように、「心の豊かさ」に力を入れるときですね。笑顔が一番!でしょう。

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